伊藤雅雪、下町亀戸の無名「伴流ジム」から世界王者

上半身に10キロの重さがあるベストを着用し、1つ2キロの鉄アレイを持ってシャドーボクシングする伊藤

<プロボクシング:WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦>◇28日(日本時間29日)◇米フロリダ州キシミー・シビックセンター

 37年ぶりの快挙!! 世界初挑戦の同級2位伊藤雅雪(27=伴流)が3-0の判定で、無敗の若きホープとなる同級1位クリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)を撃破した。

 伊藤が所属する伴流ジムにとって初の世界王者の誕生だった。97年、下町の東京・亀戸にジムが創立。先代会長の団元気氏独特の練習方法が有名な道場で、背筋を伸ばす機具は「イチロー」と名付けられ、特殊な防具も設置される。伊藤はジム内で上半身に10キロのベストを着用し、1つ2キロの鉄亜鈴を持ちながら14回のシャドーボクシングを消化しスピードを養う。ジム名の「伴流」とは先代会長による「人間とは常に半人前で志半ば。努力が肝心」との意味が込められる。

 09年に亀戸1丁目から、JR亀戸駅に近い6丁目の倉庫を改造した場所に移転。その頃から先代会長の長男となる団太路会長も練習指導に携わり、09年12月に芹江匡晋(今月引退)が日本スーパーバンタム級王座を獲得。第1号王者となった。団会長がジムを仕切るようになってからの目標は世界王者を作ること。

 セコンドとして伊藤の快挙を見届けた同会長は「(相手を)削って、削って自分のペースにできた。判定は分からなかったけれど、自分のボクシングができたと思う」。最近では珍しいアマ経験のない伊藤が、ジムの独特の練習流儀で世界ベルトを手にした。【藤中栄二】