練習積む井上兄弟はスタミナが切れない/川島郭志

WBC世界バンタム級暫定王座決定戦 7回、サラパットにパンチを見舞う井上拓(撮影・たえ見朱実)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級暫定王座決定戦12回戦>◇30日◇東京・大田区総合体育館

WBC世界バンタム級5位の井上拓真(23=大橋)が3-0の判定で同級2位タサーナ・サラパット(25=タイ)を下し、暫定王座を獲得した。序盤に攻め、2回の偶然のバッティングでペースを崩されながらも、相手パンチを外し、確実にカウンターを打ち込んだ。現WBA世界同級王者の兄尚弥(25)に続き、同じ階級で念願の緑ベルトをつかんだ。亀田兄弟に続いて国内2例目となる兄弟世界王者が誕生した。

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井上拓真は、想像以上にやりにくい相手に対し、テクニックで勝ち切った。サウスポーにあれだけプレッシャーをかけられると体力を消耗するが、中盤から左回りに足を使うように切り替えて、うまく戦った。初回に強引に攻めに出たのは悪いことではない。相手は効いていたし、そこで倒しにいくのがボクサー。中盤からは打ち終わりのカウンターを効果的に使い、試合の指導権を渡さなかった。

井上兄弟はしっかりと練習をしているから、スタミナが最後まで切れないのも武器。心技体が高いレベルにあるから、悪い局面になっても立て直せる。兄の尚弥と比較される立場だが、強引にパワーで倒しにいく必要はない。今日のようなタイミングを生かした戦いでも、十分にKOできると思う。左ジャブを使ったり、急に右構えに変えた相手との戦い方など、今後は対応力も身につけながら、防衛を重ねていって欲しい。

伊藤は米国での勝利の自信が戦い方から伝わってきた。パンチもシャープで連打でも乱れないし、上下の打ち分けもうまい。選手層の厚い階級だが、被弾の少ない選手だし、長期政権も期待できる。(元WBC世界スーパーフライ級王者)