「社長」ボクサー細川バレンタイン、本業でもV3へ

日本スーパーライト級タイトルマッチ前日計量をクリアした王者細川バレンタイン(左)と井上浩樹(撮影・高場泉穂)

プロボクシング日本スーパーライト級王者細川バレンタイン(37=角海老宝石)が5日、3度目の防衛戦の前日計量に臨み、300グラムアンダーの63・2キロでクリアした。対戦相手の井上兄弟のいとこ、井上浩樹(26=大橋)も63・4キロでクリア。過去にスパーをしたこともある2人は、笑いをこらえながらフェースオフ。固く握手し、翌日の健闘を誓った。

不動産会社社長ボクサーとしてV3を狙う。計量後、細川は「実は今年の1月に起業しました」と驚きの事実を明かした。昨春ボクシングに専念するため、長く勤めていた外資系企業を退社。「会社をやめた時は怖かった」と振り返るが、約1年がたち、朝、晩とボクシング漬けの日々に「幸せをかみしめている」。さらに練習間の時間を有効に使い、10月の宅地建物取引士試験に向け、勉強しているという。

もちろん「勝つための練習をしてきた」と本業のボクシングでも準備は万全だ。プロ12戦全勝で、12センチの身長差がある強敵井上に対し、「いろんなことをやってきた」と試合のあらゆる展開を想定し、引き出しを増やしてきた。「僕がお客さんでも見たいと思う」という注目のカードで、練習の成果をみせる。