井上尚弥いとこ浩樹が涙の初王座「ボクなんか…」

日本スーパーライト級新王者となった井上浩樹(右から2番目)。左から井上真吾トレーナー、井上尚弥、1人おいて井上拓真(撮影・高場泉穂)

<プロボクシング:日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦>◇6日◇東京・後楽園ホール

世界王者兄弟の井上尚弥、拓真のいとこで同級1位の井上浩樹(26=すべて大橋)が初めて王座を獲得した。

王者細川バレンタイン(37=角海老宝石)に挑み、3-0の判定勝ちを収めた。身長で12センチ低い王者が距離を詰めてきた瞬間、的確な左ストレートや右フックを打ち込み、中間距離では的確なジャブで5回以降は試合の主導権を握った。

13戦全勝で日本王者となった井上は「プロ入りの前から尚弥、拓真が当たり前のように王者になって。ボクなんかなれるか分からなかった。王者になりますとは言ってきたけれど、不安な部分はあった。日本王者になり、夢のようにうれしいです」とリングで感極まった涙を流した。

調整期間中に拳を痛め、王座戦前には満足なスパーリングができないハンディも乗り越えての王座奪取。それでも「安全運転し過ぎて面白くない試合をしてしまった。次はもっと良い試合をしたい。今日の内容では世界王者なんてと思われるので、すぐに練習再開して自信を持ちたいです」と反省も忘れなかった。

井上兄弟の父、真吾トレーナーの兄の息子にあたる。いとこの尚弥、拓真とともにアマチュアを経験し、アマ5冠を誇るホープだ。ボクシング界ではアニメオタクとして知られ、秋葉原や中野にも頻繁に出没。18年1月には日本テレビ系のバラエティー番組「ナカイの窓」にアニメオタクの1人として出演し、話題を呼んでいた。