久田哲也が最も遅い世界初挑戦か 京口と対戦希望

世界前哨戦を5回KO勝ちで飾った前日本ライトフライ級王者久田哲也(撮影・加藤裕一)

<プロボクシング:50キロ契約8回戦>◇20日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場

前日本ライトフライ級王者久田哲也(34=ハラダ)が、9月に世界王座に初挑戦する方向で交渉を進めていることが分かった。

陣営の原田実雄会長は「ようやくですが、大丈夫と思う。基本は国内。やっぱり大阪府立(体育会館=エディオンアリーナ大阪)でやりたい」と手応えを口にした。

久田はライトフライ級でWBA1位、WBO1位、WBC3位、IBF9位。主要4団体すべてで世界ランク上位に名を連ねており、世界挑戦に向けて、昨年12月5日に5度防衛した日本王座を返上した。この日は世界前哨戦でKO勝ち。インドネシア・フライ級王者スティヴァヌス・ナナ・ブー(28=インドネシア)を右ボディー2発から、左ロングフックで追い詰め、5回3分1秒、マットに沈めた。リング上のインタビューでは「やりたい選手はたくさんいます。(WBA王者の)京口選手や(WBC王者の)拳四朗選手。自信はあります」と意気込みを語った。

戦績は45戦34勝(20KO)9敗2分け。世界戦が実現すれば、平成以降ではリック吉村の45戦目(01年2月、WBAライト級王者畑山隆則に挑戦し、ドロー)を上回る日本ジム所属選手の“最も遅い世界初挑戦”になる。「それは希望を与えられますよね。10月で35歳。正直、何度か諦めかけましたけど…。僕はチャレンジャー。強みのフックをもっと強化して、コンビネーションの中で出せるようにしていきたい」。昨年11月5日には妻淳子さん(34)が長女一歌ちゃんに続き、双子の女児(朱莉ちゃん、乙葉ちゃん)を出産。守る家族も増えた。03年11月のデビューから16年目。遅咲きの男に、待望の舞台がやってくる。