船井TKO負け、実力差認め「パンチもらいすぎた」

<プロボクシング:IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇4日◇米カリフォルニア州ストックトン

同級1位船井龍一(33=ワタナベ)が海外で世界初挑戦に失敗した。V7戦と強豪の同級王者ジェルウィン・アンカハス(27=フィリピン)との対戦。

7回開始直後に2度目のドクターチェックでストップされてTKO負けした。新元号になって初の世界戦で、令和第1号の世界王者はならず。日本人対決を除き、昨年大みそかから日本人の世界挑戦は6連敗となった。

初回から左ストレートに右フックを的確に決められた。船井は下がることなく、3回には積極的に前に出て、距離を詰めて自慢の右を打ち込んだ。しかし、4回にはまたペースを取られ、連打にロープを背負い、鼻血を出した。5回開始直後にドクターチェックも試合続行となったが、6回終了間際にも左ストレートを浴びると、ぐらりと腰が落ちて後退した。7回開始直後に2度目のドクターチェックでストップとなった。

早めのストップに船井は「厳しい。普通にやれるのだろうなと思っていたら駄目と言われた」と悔しがった。一方で「パンチをもらいすぎていたのも事実」と実力差は認めた。渡辺会長も「いつもはこれからなんだが。流れでずっと(ポイントを)取られていたので仕方ない」と受け入れた。

05年にプロデビューしたが、4回戦3敗など通算7敗している。07年新人王は東日本決勝で敗退した。12年に東洋太平洋で初タイトル挑戦は9回TKO負け。16年に日本王座挑戦も0-2の判定負け。あと1歩の壁を打ち破れずにいた。

17年に日本王者中川に挑戦した。港工では同級生3人で同好会を作った1人。前年に王座決定戦の権利もあったが断っていた。今回は決意を胸に指名挑戦で7回KO勝ち。昨年にWBOアジア太平洋王座は8回KO、IBF挑戦者決定戦も2回TKOで制した。

高3の夏に入門して18年目。親友を踏み台にしてつかんだ、約1万2000人と満員の大舞台。米国での試合の夢はかなえたが、もう一つの世界王者の夢は果たせなかった。