世界再挑戦の黒田「胸しぼんでおじさん」余裕の軽口

ボクシングIBF世界フライ級タイトルマッチの予備検診が、11日に都内で行われた。同級4位黒田雅之(32=川崎新田)が13日に東京・後楽園ホールで、同級王者モルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)に世界再挑戦する。

黒田は身長で8センチ、リーチで1・5センチ上回った。「この階級では背が高い方なので、いつもと変わらない」と話したが、新田会長は距離をとる作戦とあって「身長差を最大限に生かしてほしい」と期待を込めた。

王者とは初対面だったが、ともに落ち着いた表情で友好的だった。その中で王者が「KOしたい」と宣言したが、黒田は「試合する者は当たり前のこと」と意に介さず。6年ぶりの検診で、視力は左右変わらず1・5も、胸囲は3センチ減。「視力が落ちていないのはうれしいが、胸がしぼんでおじさんになった」と軽口をたたく余裕もあった。

黒田は終始冷静で「試合に集中できている。楽しみ」と緊張もなく、リラックスしていた。ジムでは8年前から専門家のメンタルトレを受けている。週1、2回に月1回は講習会も開いている。新田会長は「2年では結果に出なかったが、長く続けて効果が出ている。あとは結果を出すだけ」と、ジム初の王者誕生へ力を込めた。