井上尚弥WBSS2連勝で1億円超、Vでさらに1億

ロドリゲス戦を控えファイティングポーズを決める井上(撮影・滝沢徹郎)

【グラスゴー(英国)16日=藤中栄二】WBA世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)2連勝で計1億円超の報酬ゲットを狙う。18日(日本時間19日)に同地でIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)とのWBSS準決勝を控え、井上は体重調整に専念した。軽量級では破格となる2戦合計で1億円超マネーを狙い、グラスゴーのリングに向かう。

WBSS準決勝は「稼げる」舞台になった。WBA王者とIBF王者が無敗同士で激突するグラスゴー決戦を制すれば、井上には軽量級として破格のファイトマネーと賞金が待っている。昨年10月の元WBAスーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)との1回戦、今回の準決勝に勝った場合の2戦合計の報酬総額が1億円超になることが分かった。

以前から井上が「プロとしてのモチベーションの1つ」と言ってきたファイトマネー。WBSSは賞金争奪のトーナメントでもある。大橋会長は「1回戦で得たファイトマネーと賞金、そして今回の準決勝に勝った場合の両方を合わせると1億円を超えることになります」と明かした。日本人世界王者の防衛戦ファイトマネーは2000万~3000万円が相場とされており、2戦合計で1億円を超えるのは破格の金額になる。

関係者によれば、バンタム級優勝者には決勝だけでファイトマネーと賞金を合わせて1億円が獲得できるという。15日の記者会見で司会者からムハマド・アリから命名された優勝副賞となるアリトロフィーの獲得を問われ「アリトロフィーを取るために出ましたし、必ず取りたい」と話した井上が有言実行すれば、総額で2億円を軽く超える報酬を得ることになる。

またバンタム級準決勝を勝ちあがり、先に決勝進出者に決まった5階級制覇王者で現WBAスーパー王者のノニト・ドネア(フィリピン)が試合当日に来場することも決まった。井上にとって10ポンド(約4・5キロ以内)増量に抑えるIBFルールの当日計量が初めて待ち構えているが「特に問題はない。パヤノ戦も当日朝食べて会場入って5キロ以内だったので」と余裕の笑み。破格のお金が懸かった準決勝で躍動する覚悟と準備はできている。