ジェリコ、ベルト奪取失敗もペインメーカーぶり発揮

試合後、イスでオカダ・カズチカ(右)に殴りかかるクリス・ジェリコ(撮影・前田充)

<新日本:大阪大会>◇9日◇大阪城ホール

悪夢の幕切れとなった。IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が挑戦者クリス・ジェリコ(48)を下し、2度目の防衛を果たした。だが、試合直後にジェリコにパイプイスなどで急襲を受け、ダウン。“ペインメーカー”の予告通りに痛めつけられ、無言でリングを去った。

勝利の後、オカダに降ってきたのは金ではなく、痛みの雨だった。必殺技を耐えずかけあう25分の激闘の末、ジェリコに抑え込まれると、瞬時に返して丸め込み3カウントを奪取。防衛に成功した。だが、その結果に納得いかないジェリコからパンチを浴び、さらに顔面にパイプイス攻撃をくらった。ふらふらと立ち上がると今度は必殺技ジューダス・エフェクトを決められる。場外では鉄柱にたたきつけられ、ぐったりと倒れた。

王者の締めのマイクがない結末に観客はぼうぜん。一部ブーイングも起こるほどだった。そんな中、オカダは解説席から助けに入った棚橋弘至の肩を借り、無言のまま大阪城ホールを去った。

最後に場を支配したジェリコは満足そうに勝者のコメントブースに現れた。額に「オカダドル」を貼り付け、「最後にダウンしたのはオカダ。立っていたのは俺だ」。堂々と胸をはり、オカダを「世界最高峰のレスラーであると認めるよ」と機嫌良く話した。矛先は最後に止めに入った棚橋にも向けられた。「俺の遊び時間を邪魔した。バカハシ」。暴れん坊は、まだまだ遊び足りない。「オカダも棚橋も出るんだろ。おれもG1に出てもいいんだぞ」と夏の祭典での続きを希望した。