井岡一翔「ラストチャンスかも」4階級制覇へ覚悟

公開練習で取材に応じる井岡(撮影・大野祥一)

ボクシングWBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)が、15日に都内で公開練習した。

19日に千葉・幕張メッセで、同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦で、4階級制覇に再挑戦する。練習は軽めのメニューだったが、今度こそへの自信を見せた。

4月20日から10日まで米ラスベガスでキャンプした。最長の8週間ですでに仕上げてきた。試合まではあと4日に、ストレッチとシャドーで体を動かしただけだった。「かなりいい感じに仕上がった。あとはやってきたことを出すだけ」と、静かな口調で話した。

ラスベガスではアマながら、双子の米国代表やイスラエル代表をパートナーに、110回のスパーリングをこなした。パリクテはこの階級では173センチと長身で井岡と8センチ差がある。パートナーの中には180センチの選手もいて、身長差対策を準備してきた。

さらに近郊の山登りのロードワークなどでフィットネスも鍛えてきた。心拍数は214まで記録したという。イスマエル・サラス・トレーナーは「パリクテのパワーはすごいが、技術とフィットネスでパワーは殺せる」と話す。井岡も「試合が決まった時は1分1秒も大事に急ぐ気持ちだった。質のいい充実したトレーニングができ、自信を持って臨める」と手応え十分だ。

現役復帰を決めたのは、海外を拠点で名のある選手とのビッグマッチを目標にする。そのために日本初の4階級制は欠かせないステップ。再起戦で再挑戦のチャンスを得たが「そうチャンスはない。もしかして人生最後、ラストチャンスかもしれない。目指す場所、次につなげるためにも4階級制覇したい」と決意を口にした。

サラス・トレーナーは練習以外にもミーティングなどで、今回はより濃密な時間をすごした。「井岡の決意も感じられた。パリクテはトップチャレンジャーだが、井岡は3階級を制した王者。井岡が勝つことに疑いはない」と絶対の自信を見せた。