村田諒太強打+ラテンのリズム備わる/運命の再戦2

12日の世界戦に向けて会見を行った村田(撮影・清水貴仁)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)がホームの日本で挑戦する注目カード、ロブ・ブラント戦を「運命の再戦」と題し連載する。

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5月上旬、ブラント戦に向けた本格トレが始まった頃、本田会長から「村田の顔つきが変わった」との言葉がもれた。雪辱への気持ち、そしてラテンのリズムが入った練習メニューに村田は触発されていた。

ミット打ち担当として元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスの実弟、元日本ミドル級1位カルロス・トレーナーが正式就任した。リングを縦横無尽に動かれ、3歳年上の村田は誘われる形で追うしかない。ベネズエラ独特のノリで心身も躍動。さらに田中トレーナーが元3階級制覇王者マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)を支えていた当時、メニューに入れていたロープ練習も導入。リング中央が小さな長方形で囲われ、コーナーまで対角線へと伸びるロープを細かいステップを踏みながら低い重心でくぐり続けた。持ち前の強打、動きに中南米のリズムが備わっていた。

村田は「カルロスがやってくれるので(コンビネーションパンチが)出る」と感謝した。昨年10月とは違う、南米流のプラスアルファがブラントを追い詰める。【藤中栄二】