KENTAが「見定め」戦でエース棚橋撃破し連勝

棚橋弘至対KENTA キックを放つKENTA(右)(撮影・大野祥一)

<新日本プロレス:G1クライマックス>◇14日◇第3日◇東京・大田区総合体育館

Aブロック公式戦で初出場のKENTA(38)が昨年覇者棚橋弘至(42)を下し、2連勝とした。新日初登場となった6日、米ダラスでの開幕戦では昨年準優勝の飯伏幸太に勝利。日本初戦でエースを下し、Aブロックトップをキープした。

ノア、WWEを渡り歩いてきたKENTAにとって、新日本の顔である棚橋との一戦は「見定め」される場。ファンの目を感じながらも、その中で躍動した。開始早々、ビンタをさく裂。さらに得意の蹴りを連発し、棚橋の怒りを誘う。相手の必殺技ハイフライフローを1度は食らったが、2発目は膝で迎撃。感情むき出しで向かってくる棚橋を背後から裸絞めし、最後は完璧なGo2sleepでマットに沈めた。

締めのマイクを握ると「KENTAです」とあいさつし、「きょう棚橋さんと試合して、新日本のファンのみなさんと、棚橋さんが作ってきた信頼関係みたいなものをまざまざと感じた」と素直な感想を吐露した。

「みんなが俺を知っていようがいまいが、どっちでもいい。初出場初優勝して、ここに帰ってこようと思います」。ファンに呼びかけると、大歓声が返ってきた。

14年にノアを退団し、WWE入り。試合には出ていたが、肩や首の負傷などでなかなかトップ戦線には絡めなかった。久しぶりの日本での試合、しかも大観衆の中での激闘。「すげー充実してる。こういう緊張感の中でできることを幸せに感じて、優勝を目指す」。求めていた刺激的なリングで、初出場初優勝へ突き進む。