大日本「鉄檻」20年の歴史に幕 黄金の雨を再現

大日本プロレスの鉄檻ラストデスマッチ。アブドーラ・小林(右)は味方の宇藤ごと3人まとめて檻にぶちこんだ

<大日本:後楽園大会>◇30日◇東京・後楽園ホール

約20年の歴史を誇るデスマッチアイテム「鉄檻」が最後の役目を終えた。

ラスト鉄檻マッチは、木高イサミ、宮本裕向の「二丁拳銃」コンビ対「小林軍団」宇藤純久、アブドーラ・小林組のデスマッチタッグ戦。アブ小は、整然と蛍光灯が並べられた鉄檻の中に、味方の宇藤も含めた3人をまとめて檻にぶちこみ、蛍光灯をすべてクラッシュ。巨体をよろめかせながら、ぼろぼろの檻のてっぺんに上り、宮本に対しダイビングバカチンガーを狙ったが空振りに終わった。今度はイサミが檻の上にのぼり、蛍光灯の中に仕込んだ画びょうをばらまく。“黒天使”沼澤邪鬼が06年6月に考案した伝説の「黄金の雨」を再現。さらに宇藤を抱えながら檻から豪快にフランケンシュタイナーを決めた。最後はイサミが、解体した檻の上にブレーンバスターでたたきつけ、勇脚・斬with蛍光灯で3カウントを奪った。

8月に行われるデスマッチ王者イサミと、挑戦者宇藤の前哨戦でもあったが、この夜の主役は鉄檻だった。試合後は観客席から鉄檻コールが起きた。二丁拳銃の2人は檻をリングの中央に移動。10カウントで見送った。イサミは「(檻が)ぐらぐらで、上から飛べねえかと思った。でも最後まで鉄檻先輩は耐えてくれました」と檻をねぎらった。

鉄檻は大仁田厚が設立したインディー団体FMWが使用していたもので、同団体が解散する際に大日本に受け継がれた。以来20年超使い続け、いまではボロボロ。これまで何度も修理しながら使い続けてきたが、来年の団体設立25周年にあわせ、クラウドファンディングで資金を集め、新しく作り変えることとなった。

登坂社長はクラウドファンディングを実施する理由について、「鉄檻は私が作った、とみなさんに後々まで酒を飲むときに思い出話をしてほしいから」と語る。30日の段階で約80万円集まっており、残り58日で目標の100万円達成を目指す。試合での使用はこの日が最後だが、11月4日の両国国技館大会では鉄檻とのお別れ会を行う。また、12月18日の横浜文体大会で新鉄檻をお披露目する予定だ。