田中恒成が五輪目指す兄と公開スパー、仮想V2戦

東京五輪を狙う兄、田中亮明(手前)と公開スパーリングを行った世界3階級覇者の弟恒成、奥が父の斉トレーナー(撮影・加藤裕一)

ボクシング世界3階級覇者のWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)と、アマチュアのフライ級で東京五輪出場を狙う兄の亮明(25=中京学院大中京高教諭)が5日、名古屋市の同ジムで公開スパーリングを行った。名古屋市の武田テバオーシャンアリーナで24日にV2戦を行う弟恒成の相手、同級1位ジョナサン・ゴンザレスが、兄亮明と同じサウスポーのため実現した。

すでに、6月中旬のフィリピン合宿で約2年ぶりの手合わせを終えており、この日は3分2回で実施。アップライトな構えで距離を取る兄に、弟が果敢な追い足で攻め込む場面が何度も見られた。

恒成は「ボクシングに取り組む姿勢。何ひとつ避けることなく、一番遠回りの道を歩む姿は、マネできません」と兄に敬意を表する。「正直、普段はやられることが多い」と言うが、この日は「2ラウンドだし、テンポを上げた。比較的いい動きができました」と満足そうに話した。

一方、亮明は弟について「有言実行で世界チャンピオンになって、その後も(将来の)5階級制覇目指して進んでいる」とたたえた。今の弟の印象を「強いッスね。(恒成が)高校とかの弱かったころのことは覚えてなくて、今は純粋に強さを感じます。力強いし、激しい」。来年の東京五輪代表の選考過程で重要な位置づけになる全日本選手権(11月)に向け、今回の経験を生かしていくつもりだ。