花形冴美と池山直、世界王座懸けた決着戦へ意気込み

計量をクリアした王者花形冴美(左)と挑戦者池山直

ボクシング女子ダブル世界戦の前日計量が11日に都内で行われた。

IBFアトム級王者花形冴美(34=花形)はリミットの46・2キロ、前WBO王者の挑戦者池山直(49=フュチュール)は45・8キロ、WBA同級は暫定王者宮尾綾香(36=ワタナベ)が46キロ、正規王者モンセラット・アラルコン(25=メキシコ)が45・5キロでクリアした。試合は12日に東京・後楽園ホールでゴングとなる。

花形と池山は過去2度引き分け、2年ぶり3度目の決着戦となる。花形は「とにかく明確な勝利で、因縁に決着をつける。苦しめてくれた思いに、考えさせられたことに感謝の気持ちをぶつけ、借りを返したい」と意気込んだ。

昨年9月の王座獲得は、5度目の挑戦での悲願だった。初防衛戦となるが「王者になって気持ちが変わった。いい意味で余裕ができ、楽しんでいこうと思うようになった」と話す。一皮むけた王者として、三度目の正直を狙う。

池山は前王者時代に6度防衛している中で、花形と2度引き分けた。今度は挑戦者としての対戦となる。「花形選手の熱い思いを受け止めて、はね返したい。立場が変わり、引き分けは負け。勝ちにこだわる」と必勝を期した。

18日には50歳となる大ベテランだが、最近は2敗2分けと勝ちがない。「最初から前に出て、自分のボクシングを貫く。2本目のベルトをとる」と気合を込めた。

WBA王座統一戦は当初昨年11月の予定も、王者アラルコンのヒザのケガで中止となった。宮尾は代わりに設定された暫定王座決定戦で、池山との再戦を制して王者に返り咲いた。「この1年はアラルコンのことを考え、生きてきた。ベルトは置いていってもらいます」。

16年の池山戦では右ひざ前十字靱帯(じんたい)を断裂し、1年半のブランクを作った。苦難も乗り越えたプロ生活は15年を越えた。「太く短くが長くなったが、もっと太くしたい。4団体のベルトを統一する。その1本目のベルト。夢でなく目標」と同級制圧を宣言した。