阿部麗也と佐川遼が前日計量パス ともに初王座狙う

計量をクリアした阿部麗也(左)と佐川遼

ボクシング日本フェザー級王座決定戦の前日計量が12日に都内で行われた。同級1位阿部麗也(26=KG大和)は57キロ、同級2位佐川遼(25=三迫)はリミットの57・1キロでパスした。前王者源大輝(ワタナベ)が減量苦で王座返上により設定された決定戦で、ともに初の王座奪取を狙う。

阿部は5月に待望の初挑戦も源に序盤2度ダウンし、引き分けに持ち込むも王座奪取に失敗した。挑戦前から世界ランク入りの実力者には、いまだに「びっくりした」と苦笑の不覚だった。「いけると思って調子に乗って、心の油断」と振り返る。それだけに今回は「1、2回は距離をとって慎重にいく。前回がいい経験だったと言えるようにしたい」と話した。

相手の佐川には「好青年。絶対いいヤツ」と評し、技術戦を予想した。「ちょこまかやってもつまらない。しっかりポイントを取って、どっかでヤマ場を作りたい。圧勝するのが理想」と、初の王座奪取を見据えた。

佐川は東農大出身で2戦目に初黒星も、6連勝して9戦目で初挑戦のチャンスを得た。1年前に世界挑戦経験ある松本亮(大橋)に3回TKOで名を挙げ、5月にはマニラでWBCアジア・シルバー王座も獲得した。「1年前はタイトルなんて考えなかった。タナボタのチャンス。ずっと意識してきた相手。王座より対阿部しか考えていない」と強調した。

調整は順調に消化し、いつもは寝付けない計量前日も「今回は寝られた。いつもより調子はいい」という。「スピードがあり、自分の距離感を持っている。相手に惑わされず、自分のペースに持ち込めるか。得意の右ストレートを当てられるか。力を全部出せば勝てる」と打倒阿部を誓った。