長与千種「握手を」因縁札幌大会に事件当事者を招待

1年ぶりの札幌大会をPRするプロレス団体「マーベラス」の長与代表(左)と「長与さんがあこがれ」と話す2年目の女子プロレスラー神童(撮影・浅水友輝)

リングの上で握手をしようぜ! 80年代にクラッシュギャルズとして一世を風靡(ふうび)した女子プロレス界のレジェンド長与千種(54)が「因縁の地」に舞い戻る。

代表を務める「マーベラス」が11月10日に札幌大会を開催する。PRのために来道した長与は「事件の後もファンには必ず帰ってくると約束した。大会が楽しみだね」と1年ぶりの札幌興行を心待ちにする。

事件が起きたのは昨年11月。札幌での興行終了後に“場外乱闘”に巻き込まれた。帰路の途中で酒に酔った20代男性が自身の妻に暴力を振るう現場に遭遇した。左手小指を骨折したが、反撃することなく事態を鎮圧した。「おせっかいかもしれないんですけどね。自分は(殴られる)痛みを知っているので」と、当時を振り返った。

後遺症で第1関節は今でも曲がらないが、恨みはない。騒動後はファンからはSNSなどで心配や感嘆の声が多数押し寄せた。だからこそ今大会のポスターには「プロレスは愛と勇気で出来ている」と記した。「プロレスでたくさんのみなさんから愛を教わった。その愛と勇気を伝えたい」。

事件の当事者には北海道警察を通じて来場を呼びかけるという。「ぜひ来てほしいね。席は用意して置くよ。今度はリングで握手ができたらね」。新たな物語が札幌で巻き起こるか。

◆プレゼント マーベラス札幌大会は11月10日、札幌・ススキノ・マルスジム(中央区南5西8)で開催。開場午後5時、試合開始同5時30分。チケットをペア4組に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、紙面の感想を明記し〒060・8521(住所不要)北海道日刊スポーツ新聞社「マーベラス」係まで。11日必着。