木村蓮太朗「相手が4重に」逆境乗り越え2年ぶりV

相手をコーナーに追い詰める木村(右)

<ボクシング茨城国体>◇7日◇水戸桜ノ牧高常北校体育館ほか◇成年男子ライト級決勝

ボクシングの成年男子ライト級で木村蓮太朗(東洋大4年、飛龍高出)が、2年ぶりの栄冠に輝いた。

   ◇   ◇   ◇

木村はアクシデントを乗り越え、2年ぶり2度目の優勝を飾った。1R途中に相手の頭が左目に直撃。「相手が4重に見えた。距離感をつかめず、とりあえず真ん中に向かってパンチを出した」。2R終了後、セコンドから棄権するか尋ねられたが、続行を志願。「決勝まで来たからには、やめるわけにはいかなかった」。3Rには、得意の左ストレートでダウンを奪うなど、逆境をはねのけた。試合後は表彰式を待たず、病院に直行して治療を受けた。高校時代の恩師・下水流怜監督(28=飛龍高教)は「闘争心が魅力。すばらしかった」とたたえた。

函南町出身で、飛龍高を経て東洋大に進学。今季はボクシング部の主将に就任し、1961年(昭36)の創部以来、初の関東リーグ1部優勝に導いた。大学OBで、WBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)からも「ずっと自慢できること」とねぎらいの言葉を受けた。「責任感も芽生えたし、自信になった」と振り返った。

今後は来年の東京五輪出場を目指し、全日本選手権(鹿児島、11月21日~24日)に出場する。「国体に出なかった選手もいるので、全員を倒してオリンピックに出たい」。日本代表の座まで駆け上がる決意だ。【古地真隆】