渡部あきのり初防衛 白血病と闘う愛娘から刺激

KO初防衛に成功した東洋太平洋スーパーウエルター級王者渡部あきのり

<ボクシング:東洋太平洋スーパーウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇16日◇東京・後楽園ホール

東洋太平洋スーパーウエルター級王者渡部あきのり(34=角海老宝石)が、挑戦者シティデッド・バンディ(29=タイ)を2回1分46秒KOで下し、初防衛を果たした。

過去15連続KOの日本タイ記録を持つ渡部が、34度目のKO勝利をつかんだ。1回は冷静にジャブ、ストレートを打ち込み、出方をうかがう。2回も大振りしてくる相手をジャブでいなし、1分過ぎに右のボディー1発で倒した。これがプロ47戦目。「今までで一番強い自分でリングに上がれた」と、成長し続ける自分を誇った。

昨春、長女紗月ちゃんの白血病が判明。現在状態は安定しているが、闘病は続いている。「まだ4、5年かかる。闘ってる。俺は俺の仕事をしっかりやるだけ」。娘のために頑張っているとは言わない。ただ、闘う愛娘の姿に刺激を受け、ボクシングに向き合う気持ちはより強くなった。

「昨年の暮れから1つ光が見えた。強くなるな、って感覚的に感じられた」。1度は諦めかけた世界挑戦の夢に向き合うと、自分の成長が実感できた。今年8月に敵地・韓国で東洋太平洋2階級制覇を達成。今も村田諒太らトップ選手のディフェンスプレスをまねて取り込むなど、新たな技術習得に励む。

勝利後のマイクでは「毎日、昨日の自分に勝つようにやっている。ずっと言っている世界チャンピオンになれるよう、強くなります」と堂々と宣言した。世界王座に挑戦できるなら階級にもこだわらない構えで「ブラジルでもアメリカでもどこでもいく」と敵地も歓迎。がむしゃらに夢を追い続ける。【高場泉穂】