キャリアか勢いか。日本選手初の4階級制覇を成し遂げたWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(31=Ambition)と世界最速16戦目での4階級制覇を目指す同級1位田中恒成(25=畑中)の一戦が大みそか31日、東京・大田区総合体育館で行われる。94年にWBC世界バンタム級王座統一戦で暫定王者の辰吉丈一郎との世紀の一戦を制した元王者薬師寺保栄氏(52=薬師寺ジム会長)は「6-4で井岡勝利」と予想。29日は東京都内で予備検診が行われた。【取材・構成=実藤健一】
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2人ともよく知っているんだけど世界戦の数、実績から僕は勝つのは井岡だと思っている。若い田中の勢いを買う声も分かるが、井岡のテクニックが一枚上だろう。ただ、圧倒的な有利ではなく、6-4の割合で推す。やはり19戦の世界戦のキャリアがすごい。厳しい試合展開もあったと思うし、それらを乗り越えてきた井岡の精神面を含めた経験値が上回ると思う。
井岡、田中ともにボディー打ちがうまいよね。序盤はそのボディーの打ち合いになると思う。そこから主導権を握った方が、有利になるのは間違いない。ペース争いにおいても、ディフェンス力が高い井岡のキャリアが生きるんじゃないかな。田中は案外、序盤にポカがあったりする。挑戦者だからと勢い込んで出ていけば、逆に利用されるかもしれない。注目は最初の5ラウンド。どちらが試合を手中にしているかだよね。
(※26年前の辰吉戦を振り返り) 俺の時はメンタルというか、それどころじゃなかったよね。戦前はみんなに負けると言われていた。圧倒的な評価だったから。「何をバカなことを言っとるんだ。見とけよ!」という感じだったよね。
井岡は今回の試合前、「レベルの違いを見せつける」とか、強い言葉を発してきたよね。それも相手を挑発するより、「俺は違うんだ」と。田中に対して「この若造が」という感じで見ているんだと思う。
井岡が立ち上がりから主導権を握れば、後半にかけてKO決着もある。楽しみな一戦なのは間違いない。残念ながら会場には行けないけど、家でじっくり楽しませてもらいます。(元WBC世界バンタム級王者)
◆薬師寺-辰吉VTR 94年12月4日、名古屋市総合体育館レインボーホール(現・日本ガイシホール)で行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチ。王者薬師寺、暫定王者辰吉による統一戦は、試合前から興行権を巡る高額の入札争いなど大きな注目を集めた。試合は壮絶な打ち合いの末、判定2-0で薬師寺が勝利を手にした。
◆薬師寺保栄(やくしじ・やすえい) 1968年(昭43)7月22日、大分県津久見市生まれ。愛知・享栄高卒業後、松田ジムに入門。87年7月、プロデビュー。91年6月、日本バンタム級王座獲得。93年12月、WBC世界バンタム級王座獲得。94年12月に暫定王者辰吉丈一郎と世紀の一戦を制するなど4度防衛。95年7月に王座陥落後、現役を引退。07年4月に薬師寺ジムを開設し、同ジム会長。