115キロの怪物が、大舞台で飛躍のきっかけをつかむ。プロレスリング・ノアの稲村愛輝(28)が6日に行われる「サイバーファイトフェスティバル」(さいたまスーパーアリーナ)に向け、意気込みを語った。同大会は、サイバーファイトが運営するDDT、東京女子、ガンバレ☆プロレスとの合同開催。稲村は清宮海斗(24)と組み、DDTの竹下、上野組と対戦する。
デビュー3年目の稲村がDDTとの若手対決に臨む。「この対決を聞いてびっくりした。4人の中でキャリアが一番下だし、唯一無二の無双で挑みたい」。相手の戦いを映像で分析。「竹下選手はスピードや技術などバランスがいい。上野選手はとにかく速い」と警戒した。
小学校では相撲と野球、中学からは相撲と柔道に打ち込んできた。当時はプロレスは、ただ好きという程度。学生プロレスをやっていた大学時代に興味を持ち本格的に目指すようになった。三沢、小橋、杉浦らに憧れ、卒業後はノア入門テストを受けるため1年間、自力でトレーニングを積んだ。「学生プロレスやったぐらいでできるほど甘い世界じゃない。気持ちを強く持ってやっていた」。稲村の体格をもってしても入門後は「全然ダメだった。こんなの一生かかってもできないと思った」と明かす。練習量の多さに全くついて行けず、道場に通うのもつらかったという。
辞めていく仲間もいた中、持ち前のパワーと巨体を生かし「やるしかない」と強い気持ちで力を付けていった。昨年には清宮に誘われ、所属のユニット「金剛」を離脱。「学んだことも多かったが、モヤモヤしていた部分があった」と新たなスタイルを求めて環境を変えた。今大会一緒に組む清宮は年下ながらキャリアは上。「もっと上の人と戦っているような安心感があってやりやすい。自分に持っていない機動力やしっかりと受ける強さを持っている」と明かす。
3年目での大舞台抜てきに、期待の声も大きいが「まだ何も結果を残していない」と慢心しない。桜庭ら格闘技技術のたけている選手と対戦し「パワーがあっても通用しない選手はたくさんいる」と実感。現在は寝技をさらに強化中だ。「努力と練習に100%比例する。グラウンド技術は重要視している」と練習量を増やした。
プロレスラーの理想像は「街で歩いていても、ただ者じゃないと思ってもらえるような存在」と明かす。「昔のプロレスラーのような、人間離れしていて怪物のようだと言われたい」と意気込む稲村。さいたまスーパーアリーナの大舞台で異次元のパワーを見せて証明する。【松熊洋介】