シンデレラ街道を突き進む。女子プロレス団体スターダムの上谷沙弥(24)が1日、横浜武道館大会(4日)で行われるワンダー・オブ・スターダム選手権の調印式に出席し、対戦相手の王者・中野たむに「ベルトを取ってあなたを超えてみせます」と王座奪還を宣言した。
先月12日の大田区大会で、舞華を破り、20選手による「シンデレラトーナメント」で優勝。自分のカラーであるグリーンのドレスを身にまとい、歓喜の涙を流した後に、アイドル時代からの師匠である中野に挑戦表明。「私の怖さ、覚悟しておいてください」と恩を勝利で返すつもりだ。
アイドル時代にプロレスラーとして活躍する中野の姿を見てあこがれた。オーディションになかなか受からず、落ち込んでいた時からプロレスの道を切り開いてくれた大好きな先輩。「自分の心が弱い部分があったので、もっと強くなりたいなと思った」。最初は勝てない時期が続いたが、徐々に力を付けていき、今年1月には念願の東京ドームのリングにも立った。3月の日本武道館大会では林下の持つ最高峰のワールド・オブ・スターダムのベルトに挑戦。敗れはしたが「ファンや、周囲からは評価をしてもらった」と自身につなげた。さらに所属していた芸能事務所を退社。プロレス一本で活動していくことを決め「スターダムの頂点を目指す」と意気込む。
2カ月前には実家から引っ越しし、1人暮らしも始めた。「これまで以上にプロレスのことを考える時間が増えた」と明かす。料理や洗濯、掃除など家事をするのも初めてだが「集中して他のことを忘れられる」と心も落ち着けられるという。
2年前のデビュー当時は反対していた家族も今は、会場に駆けつけ、応援してくれるようになった。精神的な余裕も手に入れ、プロレスに集中できる環境も整った。例年、シンデレラトーナメントを優勝した選手がワンダー・オブ・スターダムのベルトを獲得している。「ジンクスを終わらせる」という中野をシンデレラのプライドで打ち破るつもりだ。上谷は「今回は、たむさんから取ることに意味がある」と厳しい表情で語った。自分を導いてくれた大好きな先輩の前で、成長した姿をぶつける。【松熊洋介】