<新日本:メットライフドーム大会>◇5日◇埼玉・メットライフドーム
ドームの借りをドームで返した。
IWGP世界ヘビー級王者の鷹木信悟(38)が、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンでEVILに勝利し、2度目の防衛に成功した。7月東京ドーム大会での初防衛後に襲撃され、8月には新型コロナウイルスに感染。「不安もあった」中、逆境をはね返し「ベルトを持ったまま帰ってきたぞ!大復活だ」と叫んだ。
鷹木は序盤からブランクを感じさせない動きでEVILを翻弄(ほんろう)した。セコンドの東郷、高橋裕二郎、SHOに何度も邪魔をされたが、ユニットの仲間である内藤、BUSHI、SANADAが援護。「俺たちの絆の方が本物。あいつらは上っ面の関係。何も変わってねえ」。流れを引き寄せた鷹木は、怒りと悔しさを両腕に込め、エルボー、龍魂ラリアット、パンピングボンバーとたたみかけ、広い会場に大きな音を響かせた。
魂のこもった技が鷹木の持ち味。「飛び技などないので、瞬発力や加速力でインパクトを残す」。海外の格闘映画を見て、合気道を始めた。スティーブン・セガールやジャッキー・チェンの動きにヒントを得て「リズムが好きで、自分のプロレスに近いものがある」と取り入れた。テンポよく技をかけ、映画にある効果音は自分の力で生み出し、観客に伝えているという。
パワーでは負けない。中高では休み時間に腕相撲の勝負を持ちかけ、同級生を次々と倒した。「中学では1人負けたけど、高校では全員に勝った」。バッティングで校舎の屋上まで飛ばし、高校の野球部主将に勝利。「ただ太るだけなのが嫌で、トレーニングはしていた」と幼少期から培った怪力で今も魅了し続ける。
18年に35歳でドラゴンゲートから移籍し、6月に初めて手にしたベルトを死守した。まだまだ戦いたい相手はいる。5月に敗れたオスプレイはそのままベルトを返上。7月に対戦予定だった飯伏は病気で欠場し、変更となった。いずれは新日本に誘ってくれた内藤との対戦にも意欲を見せる。
18日からはG1クライマックスに参戦。飯伏、内藤とも同組になった。「昭和57年生まれの最強を決めよう。俺だってG1覇者の冠が欲しい」と初優勝を狙う。コロナ禍が明けた際には、海外での防衛戦も視野に入れる。復活した元気はつらつおじさんは、すべての目標を達成するまでトップに君臨し、元気を与え続ける。【松熊洋介】