タイソン超えだ!! ボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(35=帝拳)が12月29日、さいたまスーパーアリーナでIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)と対戦することが12日、正式発表された。同日に都内で会見した村田は同級屈指のスター選手を下し、最強を証明する覚悟を示した。また元統一ヘビー級王者マイク・タイソン(米国)が日本で2度臨んだ世界戦の総費用を超える国内最大規模のビッグマッチになることも判明した。
世界的にも選手層が厚く、人気の高いミドル級。世界王者としてホームで人気スターを迎え撃つ。これ以上ないカードが決まった村田には高揚感が漂った。「これは(ボクシング界の)歴史の一部だと。ミドル級の統一戦に日本人が出るのは。手前みそですけれど、今後なかなかできないと思います」。ミドル級の頂点に君臨してきたゴロフキンと拳を交える意義をかみしめ「彼の実績はすごい。彼を倒して僕が最強であると証明したい」と強調した。
村田の言葉通り、国内世界戦として最大規模のビッグマッチになる。88年、90年と2度、東京ドームで開催されたタイソンの防衛戦が日本開催の世界戦の過去最大イベント。平成初期のバブル絶頂期の中で、総費用は20億円とされた。タイソン戦も手掛けた帝拳ジムの本田明彦会長は「時代も違うけれどタイソン戦の時よりも(総費用は)かかっている」と明かした。
景気浮揚感のない令和で、20億円を超える最大級の興行となるのは村田の人気に加え、ゴロフキンの世界的知名度がある。3団体統一王者時代にWBA19度、WBC8度、IBF4度の防衛に成功。19年にはDAZNと1試合平均1500万ドル(約16億5000万円)の契約を結んだほどだ。村田-ゴロフキン戦は海外ではDAZN、国内では初めてAmazonプライムビデオでライブ配信が決定。両王者の高額なファイトマネーを確保するために地上波中継が見送られた。2人のファイトマネーの合計も、90年のタイソン-ダグラス戦の1000万ドルを超えることが確実視されている。
14年にゴロフキンとのスパーリングを経験した当時、村田は「まるで石で殴られているような衝撃」と語っていた。あれから7年が経過し、村田は言った。「ようやくゴロフキンと対戦するにふさわしい実力になった。最強の自分をつくり、最強を証明します」。日本ボクシング界最大規模のビッグマッチで、村田がゴロフキン撃破に集中する。【藤中栄二】
◆日本開催のマイク・タイソン世界戦 88年3月のトニー・タッブス戦、90年2月のジェームス・ダグラス戦の2試合で、いずれも東京ドームで開催。2回TKOで勝利したタッブス戦では、タイソンのファイトマネーは推定460万ドル(当時レートで約6億5000万円)。収入面でも1日の総売り上げで15億円を記録した。まさかの10回KO負けを喫したダグラス戦のファイトマネーは両者合わせて推定1000万ドル(タイソン900万ドル、ダグラス100万ドル、当時レートで約14億円)で、約20億円の収益があった。バブルの絶頂期でもあり、タッブス戦では最高10万円のチケットが2~3日で完売する人気ぶりだった。