3度目王座挑戦の阿部麗也が2冠獲得「ボクシング始めた時の最低ラインの目標。満足してない」

リング上で日本、WBOアジア・パシフィック・フェザー級王座ベルトを肩にかける新王者の阿部麗也

<日本フェザー級タイトルマッチ、WBOアジア・パシフィック同級王座決定12回戦>◇15日◇東京・後楽園ホール

3度目のタイトル挑戦となった日本フェザー1位阿部麗也(29=KG大和)が一気に2本のベルトを獲得した。

日本同級王者丸田陽七太(25=森岡)に挑戦。WBOアジア・パシフィック同級王座も懸かった2冠戦で3-0(115-112、116-111、118-109)の判定勝利を収め、2冠王者となった。

4回に丸田の右拳で右目上をカットして流血したが、冷静に対処。サウスポースタイルからノーモーションの左で何度も相手顔面を貫いた。7回にはスピード感十分の左ストレートでダウンを奪取し、展開を支配した。阿部は「ベルトを巻けてほっとしました。でもボクシング始めた時の最低ラインの目標。まだ先を見ているし、満足はしていない」と感慨深げ。リングから下りると長男洸空くん(4)次男璃空叶くん(2)を抱きかかえ、達成感に浸った。

創設15年目でジム初の王者誕生となったKG大和ジムの片渕剛太会長は「正直、泣くほどうれしいかなと思っていたけれど、ヨッシャーというほどではない」と苦笑い。阿部は「1つ形にできて結果が出た。ジム初の期待もある中で取れて良かった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべていた。