井上尚弥の拳、人類最強の認定 米「ザ・リング」編集長「ドネアに圧勝すればPFP1位も」

19年11月、WBSS世界バンタム級トーナメント決勝で、ドネア(左)を激しく攻める井上尚

<日本人初3団体統一王者へ 6・7 井上vsドネア 完全決着(1)>

ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が6月7日、さいたまスーパーアリーナでWBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)との3団体王座統一戦を控える。1922年創刊の米老舗専門誌ザ・リングのダグラス・フィッシャー編集長(51)が2日までに日刊スポーツの取材に応じ、ドネア戦で快勝した場合、条件付きで井上が日本人初のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ボクサー)1位になる可能性を示した。【取材、構成=藤中栄二】

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世界最古の専門誌として知られるザ・リングは、最初に全階級を通じた最強選手の選出を始めた。編集委員会に各国記者らを加えたメンバーで、毎月独自に各階級、PFPの順位を決定。世界のファンからもっとも信頼されるランキングとなる。その責任者であるフィッシャー編集長は井上-ドネア戦を前に「条件が整えば(井上が)1位になることは可能」と解説した。

まず「ドネアとの対戦で圧倒的な形で勝利すること」を大前提とした。鮮やかなKO勝ちを収めた場合は「試合予定が停滞している(WBO世界ウエルター級王者)クロフォード(米国)を抜き、2位に上がる可能性がある」と井上の過去最高位に浮上すると予測。「条件として『仮に』が多くなるが」と前置きしながらも、現在1位の3団体統一ヘビー級王者ウシク(ウクライナ)が年内予定の前3団体統一同級王者ジョシュア(英国)との再戦に敗れれば、1位に到達するのではないかとの見通しを示した。

文句なしにPFP1位となるための条件としては「4団体統一王者になること。井上がザ・リングのPFP1位になる最善の方法だ」と分析。さらに同編集長は井上への個人的な思いも明かし、井上が1位をキープする方法として「運命を握る階級はスーパーバンタム級だ」と断言。1階級上にはWBC、WBO王者フルトン(米国)、WBAスーパー、IBF王者アフマダリエフ(ウズベキスタン)が王座をまとめており「最短2試合で4団体統一王者になれる。これが現実になれば、井上が1位になることに異論はないだろう」とした。

現在のドネアについての評価も高く「井上戦後のWBC王座獲得とWBA王座統一で世界バンタム級のトップという地位を確固たるものにした。ザ・リングの同級ランクも王者は井上、1位はドネア。両者がトップ2だ」と頂上対決であるとあらためて強調した。同誌は過去2度、井上を表紙に選んでおり「井上がドネアとの対戦で輝かしい勝ち方をした後、スーパーバンタム級のトップ級に挑戦していけば3度目の表紙を飾る可能性は大いにある」と熱いエールを送っていた。

◆ザ・リング 米国で1922年の創刊当初からボクシングを基本線に扱う月刊専門誌。毎月、独自の基準でランキングを選定し、最も歴史と権威ある雑誌とされ「ボクシングのバイブル(聖書)」と呼ばれる。同誌編集委員会に各国記者らを加えた構成で毎月独自に各階級とパウンド・フォー・パウンドのランキングを世界10位まで発表。設立当初から独自認定した王者にベルトも授与し、02年より本格的に各階級ごとにもベルト授与している。また年間最優秀選手などの表彰も行っている。