修斗ライト級世界王者・西川大和「UFC280」参戦、ムスタファエフ戦「不動心で戦います」

UFC初参戦する西川は、試合に向けて静かに闘志をみなぎらせる(撮影・中島洋尚)

世界が見えた! 総合格闘技の修斗ライト級世界王者・西川大和(19=西川道場、札幌札苗中出)が現地時間22日、アブダビ(アラブ首長国連邦)の「UFC280」に参戦する。

世界最大の総合格闘技団体UFC初参戦の相手となるのは、UFC3勝2敗のマゴメド・ムスタファエフ(ロシア)。19年4月から14連勝中の若きファイターが、悲願のUFC世界一への足がかりをつかむ。

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吉報が届いたのは、9月22日だった。東京の後楽園ホールで開催された修斗の大会で草・MAXを判定で下して14連勝を飾った翌日。トレーニング後の風呂上がりに、契約オファーが届いたことを父で専属トレーナーの武彦さんから伝えられた。「特に感情はありません。戦う場所が(UFCに)変わり、相手が(UFCの選手に)変わっただけ」と、事もなげに言った。

18年の中学卒業と同時にプロ格闘家としてデビュー。19年4月から3年以上不敗が続く。昨年9月には、修斗世界ライト級王者・川名TENCHO雄生の顔面を、パンチや肘打ちで何度も殴りつけてドクターストップに追い込み、ベルトを奪った。修斗では20年の初参戦以来9連勝中。年々力強さを増す戦いぶりがUFCの目に留まり、参戦オファーが舞い込んだ。「父も母も他の仕事をせず、自分(西川)のサポートを続けてくれています。両親を少しでも楽にしたい」と受諾を即決した。

すでに相手の特徴は分析済みだ。「動画は何試合か見ましたが、(ムスタファエフは)足も手も大技を狙ってくる傾向が強い。そこに気をつけて、いつもどおり不動心で戦います。プロアスリートですから、負ければリリース(契約解除)されるのが当たり前。まずは勝って、契約を継続していくことが大事」という。

現在のトレーニングは1日9時間。フィジカルを4時間、打撃と寝技をそれぞれ1時間半ずつ行い、就寝前にストレッチとコンディショニングで全身の状態を整えて眠りにつく。翌日に疲労を残さないため、8~9時間の睡眠を確保する。「趣味も仕事も戦うことですから、勝てる体の状態を保つことは重要」と話す。

アブダビでの試合後は1度帰国するが、年内にはタイに拠点を移す。ムエタイが国技の本場で実戦的なトレーニングを積み、UFC参戦を続ける。「目標は(UFCの)チャンピオン」と西川。小学校時代は、はだしで野山を駆け回って、基盤を身につけた。ファイトを重ね、本物の強さを身にまとった。そしていよいよ世界への扉が開く。【中島洋尚】

◆UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ) 米国・ネバダ州ラスベガスに本拠地を置く世界最大の総合格闘技団体。ブラジルで行われていた何でもありの格闘技「バーリ・トゥード」をモデルに、93年11月に米デンバーで第1回大会が開催。試合は「オクタゴン」と呼ばれる8角形の試合場で行う。男子はヘビー級からフライ級までの8階級制。女子はフェザー級からストロー級の4階級。試合は5分3回戦で、タイトル戦とメインは5分5回戦。通常の試合は5分3回戦。ジャッジ3人が採点し、決着の種類はノックアウト、サブミッション、テクニカルノックアウト、判定、失格、ノーコンテスト。急所攻撃、噛みつき、目上から打ち下ろすひじ打ち、グラウンド状態の頭部へのキックや膝蹴りなどは禁止。選手はオープンフィンガーグローブとトランクスのみ着用可。

◆西川大和(にしかわ・やまと)2002年(平14)12月6日、札幌市生まれ。5歳ごろから空手などを始める。札幌東苗穂小3年で総合格闘技パワーオブドリームジム入門。昨年9月に世界最年少で修斗世界ライト級王者。通算21勝3敗。家族は両親と兄。173センチ、72キロ。