<プロレスリング・ノア:有明大会>◇30日◇東京・有明アリーナ
来年2月21日の東京ドーム大会で現役を引退する“プロレスリング・マスター”こと武藤敬司(59)が、かつての後輩たちへ生きざまを示した。
引退ロード第3弾となったセミファイナルの6人タッグマッチは、自らが率いるノア軍と、古巣新日本のゆかりあるメンバーが激突する注目の一戦。GHCタッグ王座をともに獲得した丸藤、若手有望株の稲村と組み、新日本時代に自身の付け人を務めた棚橋、全日本時代に付け人を務めた本間、後輩の真壁と相対した。
アレンジバージョンも含め、95年から2000年まで使用した入場テーマ曲「TRIUMPH」のイントロから「HOLD OUT」に乗って登場すると、2年半ぶりの声出し可能大会となった会場は、この日一番の大歓声に包まれた。「武藤コール」も沸き起こった。
試合は先発で棚橋と組みあうと、ドラゴンスクリュー合戦を演じた。後半にも再登場を果たすと、棚橋を足4の字固めで捕獲。その後もシャイニングウィザードを打ち込んで見せ場を作ると、試合は丸藤が本間に不知火を決めて勝利を収めた。
試合後のバックステージでは、これが「武藤敬司」としては今年最後の試合だったことを明かした。そして「本当は1分1秒でも長く試合をしていたかったよなあ。今日は最後だから少し固くなった。足を引っ張ってしまった」と肩を落とした。久々の歓声に対しても「あれは同情だよ。ありがたいことだけど」と、浮かない表情だった。
それでも、今年1月の対抗戦以来の対戦となった棚橋については「いい意味で変わっていなかった」とにやり。「あんまり俺はチャラチャラしているのは好きじゃないけど、あそこまで通しているならいいんじゃないか」と認めた。そして「いつかあいつも立ち止まる時がある。まだ俺も数試合やるわけだから、後輩のみんなにいい背中を見せられるような止まり方をしたいな」と宣言。引退のその日まで、コンディションが完全でなくても、死力を尽くして生きざまを示していく。