<プロボクシング:55・5キロ契約体重10回戦>◇13日◇東京・有明アリーナ
元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(26=大橋)が約4年7カ月ぶりのKOで世界前哨戦を制し、世界返り咲きに向けてアピールした。ジェイク・ボルネア(27=フィリピン)と拳を交え、8回2分48秒TKO勝ち。18年5月、ワルド・サブ(インドネシア)戦以来のKO撃破となった。来年中の世界挑戦に強い意欲を示し、兄尚弥(29)がスーパーバンタム級転向した後、バンタム級で世界挑戦のタイミングを待つ姿勢を示した。
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リズム良く、拓真がグイグイ攻め続けた。多彩な左、そして速い右ストレートで攻め切った。「ダメージを蓄積させてKOできれば」。右カウンターを打ち込み、5回には右でボルネアの左目上を切り裂いた。連打で相手顔面をとらえ続けるとカットで追い込んだ負傷が悪化。ドクターチェックでレフェリーストップとなった。「こんなにラウンドがかかってしまい、想定外でしたが、内容は終始圧倒できた。結果、TKOできて良かった」と自ら及第点を出した。
現在、WBOアジア・パシフィック・スーパーバンタム級王座を保持している。世界ランキングもバンタム級でWBA2位、スーパーバンタム級でWBO5位、IBF5位、WBC6位と上位にいる。バンタム級で4団体統一した兄尚弥がスーパーバンタム級転向を正式表明したことを受け、拓真はバンタム級で世界王座返り咲きを狙う。
「自分の適正階級はバンタム級。バンタム級で世界王者になりたい。兄が階級上げたら、今度は自分が1つ1つベルトを集めていけたらいい」と掲げた。世界王座への返り咲きよりも先の目標まで掲げたのは自らを鼓舞する意味がある。「自分が成長するだろうと、目標を高くしました」と明かした。
ボルネア戦後、拓真は「試合のダメージはゼロ。ノーダメージです」とすぐにトレーニング再開する意向を示した。19年11月のWBC同級正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との団体内統一戦に敗れて以来となる海外勢との試合を制し、来年の世界戦に向け、大きなはずみとなった。「できるなら世界挑戦は来年の早い段階でやりたいです」。モンスターの弟が、再び世界トップの座に戻る日は刻一刻と近づいている。【藤中栄二】