<プロボクシング:WBA、WBO世界スーパーフライ級王座統一12回戦>◇31日◇東京・大田区総合体育館
井岡一翔は全体的にパンチに切れがなかった。力強さにも欠けていて、調子がよくないように見えた。だからフランコは自信を持ってグイグイと前に出ていけたのだろう。左ジャブとフットワークで相手をかわす井岡が、ロープを背負うシーンも多かった。それだけ相手のプレッシャーが強かったのだろう。
苦しい試合になったが、フランコも世界王者。強くて当然だ。手数が多くて、ボディー打ちもうまい。ガードも堅くて、タフで頑丈だった。カウンターを浴びても、効いたそぶりを見せなかった。7回と最終回に珍しく井岡はボディーが効いていたように見えた。
それでも井岡が負けなかったのは、中盤から右ストレートと左フックのカウンターを要所で決めていたからだろう。あれがポイントにつながったのだと思う。ロープに詰められても前後左右の動きで、クリーンヒットはさせなかった。右をがっちりとガードして、左フックを防いだ。研究の成果は見えた。
微妙な判定だったが、引き分けと負けでは全然違う。引き分けは次につながる。次戦は前WBO世界フライ級王者の中谷との指名試合が有力視されている。若くて勢いのある1階級下の前王者を相手に、世界戦20勝のキャリアを誇る井岡がどんな戦いを見せるのか。非常に興味深い好カードになる。【元WBC、WBA世界ミニマム級王者】