新王者中川健太「次につながった」原則引退年齢37歳でWBOアジア・パシフィック王座獲得

WBOアジア太平洋Sフライ級王座決定戦 新チャンピオンとなってラウンドガールを務めた、左から雪平莉左、天野麻菜、新唯と写真に納まる中川健太(撮影・丹羽敏通)

<プロボクシング:WBOアジア・パシフィック・スーパーフライ級王座決定12回戦>◇14日◇東京・後楽園ホール

前日本スーパーフライ級王者中川健太(37=三迫)がWBOアジア・パシフィック同級王座を獲得した。

同級1位として同級2位古谷昭男(25=六島)と同級王座決定戦で拳を交え、3-0(117-111、116-112、115-113)の判定勝利を収め、ベルトを手にした。サウスポースタイルから右フック、左ストレートを打ち込んで主導権を握ると、9回には怒濤(どとう)のラッシュを展開。10回の古谷の反撃をしのぎ、終盤の11、12回と激しい打ち合いを制した。

日本のプロボクシングは原則37歳が定年となるが、王者経験者は日本ボクシングコミッションのドクターの診断を通過すれば、現役を続けられる。「気持ちは若いですよ」とリング上で口にした中川は「最後は世界王者にたどり着きたいが、遠いですね。あきらめるつもりはないです。次につながったと思います」と前向きだ。

12回というフルラウンドを戦い抜いたことで年齢的な不安は払拭している。同カードが組まれた際、所属ジムの三迫貴志会長から「内容を問うよ。KOを見せて欲しい」と言われていたという。中川は「ラッシュ慣れしていなくて…。倒すことが頭にこびりついていたのかもしれない」と9回にKOできなかった悔しさもにじませた。

ただ三迫会長は「中川の年齢は気にしていない。長いブランクもあったり、全然、問題ない。世界ランクも上昇するし、さらなる進化をみせたい」と期待を寄せていた。