“天心イズム”継承する神龍誠、堀口恭司と大勝負「ベルトもついてくる。余計にうれしい」

DEEP、CFFC、ベラトールの3冠に挑む神龍誠はケージ越しに鋭い眼光を見せる(撮影・山田愛斗)

“総合格闘技界の神童”が、天下分け目の大勝負に挑む。仙台市出身でDEEP、米CFFCフライ級王者の神龍誠(22=神龍ワールドジム)が、超RIZIN2大会(7月30日、さいたまスーパーアリーナ)に参戦。今大会はRIZINが提携する米ベラトールとの合同興行として行われる。神龍は初開催のベラトール・フライ級タイトルマッチ(5分5回)で、“史上最強の日本人”堀口恭司(32=アメリカン・トップチーム)と戦う。【取材・構成=山田愛斗】

いざ、ビッグマッチ! 現在10連勝中と勢いに乗る神龍が、新設されたベラトール・フライ級の初代王者に輝くチャンスを得た。かねて対戦を熱望していたRIZIN、ベラトールのバンタム級元王者・堀口と対峙(たいじ)する。「堀口選手とやるのもワクワクしてますが、それにプラスし、ベラトールのタイトルマッチでベルトもついてくる。余計にうれしいですね」と不敵に笑う。

「堀口選手は僕の10個上ですが、僕と同じぐらいの年齢のときに『若い人が盛り上げていかないと』と言っていた。本当にその言葉どおりで、僕が盛り上げていかないと格闘技界は回らない。しっかり倒して世代交代したいと思います」

「史上最強のMade In JAPAN」と形容される堀口は15年4月、24歳で米UFCのフライ級タイトルマッチを経験した強者(つわもの)だ。「UFCでタイトルマッチにいくこと自体すごい。『自分もいつかこうなるぞ』と尊敬の目で見ていました」と神龍。ベルト奪取はならなかったが、同じ日本人として世界の第一線で戦う姿が誇らしかった。

神龍は中学卒業から1カ月後の16年4月、15歳の若さでプロデビューを果たす。キャリア18戦で16勝1敗1分けと勝ち続け、DEEPでは史上最年少の18歳で王座獲得。すさまじいスピードで進化を遂げ、かつて画面越しに見ていた堀口は、いつしか倒すべき存在へと変わった。

「僕は堀口選手に勝つことがすごいとは全然思っていません。打撃の怖さはもちろんありますが、普通にやれば普通に勝てると思っています」

元日米2冠王攻略に心強い味方がいる。神龍はキックボクシング無敗でボクシングに転向した、那須川天心の父弘幸氏が会長を務めるTEPPEN GYMで約6年前から打撃を磨く。18年9月、那須川はキックボクシングルールで堀口に判定勝利。堀口対策を熟知する弘幸会長の存在は、大きなアドバンテージになりそうだ。

“天心イズム”を継承する。神龍は過去に那須川とスパーリングを重ねるなど、超一流の打撃を肌で感じてきた。「ちょこちょこアドバイスをくれますし、ここをまねしようとかもありましたね」。レスリング出身で直近6試合のうち4試合が一本勝ちと、寝技は一級品。これまでKO勝利はないが「打撃でも全然勝負できる」。立って良し、寝て良しの自負がある。

「今回の試合に関しては、寝技でも打撃でも、どんなフィニッシュでもいい。しっかり決着する形は取りたいです」

世界最高峰を見据えて着実に段階を踏む。「UFCは絶対に行きます」と青写真を描くが、焦りはない。まずは今大会でベラトール王者となり、続いて新設予定のRIZINフライ級のタイトルに照準。「僕が知名度がない状態で(UFCに)行くよりも、日本で強いといわれる選手を片っ端から倒し、みんなに応援されながら行く方がいい」。満を持して夢舞台に乗り込むつもりだ。

元UFCファイターの堀口を破れば、天下統一への試金石になる。今後のフライ級を大きく占う最強決定戦に向けて「僕がしっかり堀口選手を倒して、3冠王になります」と力強く宣言。“進撃の神龍”が、主役交代を成し遂げる。

◆神龍誠(しんりゅう・まこと)本名は高橋誠。2000年(平12)7月5日生まれ、仙台市出身。16年4月にパンクラスでプロデビュー。19年6月に史上最年少の18歳でDEEPフライ級王座を獲得し、22年11月には米CFFCフライ級王座戴冠。プロ戦績は16勝1敗1分け。165センチ、57キロ。