プロボクシングの試合を管理・統括する日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長は7日、5月14日に札幌で行われたプロボクシング興行で、出場したナイジェリア人2選手がJBCに申請、承認された選手とは別人だった“替え玉”事件で、2選手とナイジェリア人マッチメーカーの調査を、打ち切る可能性を示唆した。都内で行われたJBCの実行委員会後「やはり我々は警察ではないので、呼び出しても応じない。想像以上に調査のハードルは高い。おそらく調査はここでうち止めになる」と話した。
問題の興行は平仲BS(ボクシングスクール)ジム主催興行で、日本フェザー級1位リドワン・オイコラ(26=平仲BS)の8回戦と、オロゴン氏の息子、ジェイジェイ・オロゴン(23=同)の4回戦で、対戦相手のサミュエル・モセス(37)とカジーム・ラワル(34)のナイジェリア人2選手がともに1回KO負け。その後、2人は別人の日本国内在留のナイジェリア人で、プロのライセンスのない素人だったことが分かった。興行をプロモートした元WBA世界スーパーライト級王者で平仲BSジムの平仲信明会長が、JBCのセコンドライセンスを持つタレントのボビー・オロゴン氏に仲介を依頼し、オロゴン氏が別のナイジェリア人にマッチメークを頼んでいた。
平仲会長は5人分の航空券代やファイトマネーも入金済みだったが、ナイジェリアから入国も出国もしていなかった。JBCも試合前のパスポートの確認作業を怠っていた。
安全管理面はもちろん、興行面でも観客を欺いていたことになる前代未聞の不祥事で、今後は試合をプロモートした平仲会長、オロゴン氏の資格停止や、JBC幹部らの具体的な処分を決めることになる。また、JBCの不手際が続いていることから、安河内は今後は管理職を事実上の解職とし、キャリアのある主任級の職員を3人増員する方向で調整していることも明かした。