井上尚弥撃破に自信、刺客フルトン来日「ひよることもないし、不安にのみ込まれることもない」

来日したWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者フルトンが来日

ボクシングWBC、WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(28=米国)が挑戦者の同級1位井上尚弥(30=大橋)撃破に自信を示した。25日に東京・有明アリーナで井上の挑戦を受ける無敗の統一王者は11日、陣営3人で来日。練習拠点となる米フィラデルフィアなどで充実の調整を積んできた手応えが表情に表れ、「仕事を遂行するためにきた。それは勝つこと」とプロ意識の高さを示した。

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羽田着の夕方便で日本に到着した統一王者フルトンは長旅の疲労もみせず、リラックスした表情だった。「フライト中も元気だった。今、本当にバッグをホテルに置いたら練習に行きたい気持ち」と余裕の笑みを浮かべた。時差調整も考慮し、試合2週間前という早めの来日。今後は横浜市内で最終調整する予定で「日々、自分の体調、様子をみながらやっていきたい。プロ初の国外試合で楽しみ」と意欲をみせた。

生まれ故郷で練習拠点の米フィラデルフィアをはじめ、スパーリングのために西海岸のロサンゼルスでも調整してきた。当初は5月7日、横浜アリーナで組まれていたカードだったが、井上の拳負傷によって約2カ月間スライド。井上対策が十分できた手応えがある。「いつでも自信のレベルは高い。どんな問題に直面しても、どれだけリラックスして気楽にとらえることができるかを常に考えている。ひよることもないし、不安にのみ込まれることもない。自分はやるべき事をやるだけだなと思っている」と真面目そうな一面をみせた。

イスラム教徒でラマダン(断食月)も練習を欠かさない。フィラデルフィアの貧困層で生まれ、犯罪の多い危険地域で育った。生まれた時は父スティーブン・シニアが刑務所にいたという。すべての逆境をエネルギーに変えてきたハングリー精神の持ち主でもある。世界戦ではWBO王者アンジェロ・レオ、WBC王者ブランドン・フィゲロア、元2団体統一王者ダニエル・ローマン(すべて米国)を下し、同級最強の呼び声高い。「自分の仕事を遂行するために来た。それは勝つこと。ただ日本にエンジョイに来たわけではなく、しっかり仕事をして帰りたい」と静かに燃えていた。【藤中栄二】

◆スティーブン・フルトン 1994年7月17日、米フィラデルフィア生まれ。父スティーブン・シニアの勧めで12歳からボクシングを開始。アマ時代は米国代表にも選ばれ、海外大会も経験。アマ戦績75勝15敗。14年10月、2回TKO勝ちでプロデビュー。21年1月、WBO世界同級王者アンジェロ・レオ(米国)を下して世界王座を初獲得。同年11月、WBC王者ブランドン・フィゲロア(米国)との統一戦で判定勝ちし、統一王者に。愛称はクールボーイ・ステフ。身長169センチの右ボクサーファイター。