ボクシング前4団体統一バンタム級王者の井上尚弥(30=大橋)が、スーパーバンタム級転向初戦前から「ベスト階級」を宣言した。25日にWBC、WBO世界同級王者スティーブン・フルトン(28=米国)に挑戦する。15日、フルトン陣営の見守る中で横浜市の所属ジムで練習を公開。今年3月に拳を負傷し約2カ月、試合が延期となったことをプラスに変え、既に“新”階級の肉体、技術に仕上がったと強調した。
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転向初戦前から「ベスト」宣言が飛び出した。当初5月7日に組まれていたフルトン戦は、井上の拳負傷で今月25日に延期となった。3月のカード発表会見では「毎回階級を上げる時は、不安はつきまとう。スーパーバンタム級では骨格、体格をオーバーするのも不安」と口にしていたが、約2カ月の延期期間を、しっかりプラスに変えていた。
「まだ試合をしていないので分からないが、手応えは十分にある。逆にスーパーバンタム級がベストなのではないか、という準備段階だった」
負傷後の1カ月間は、拳を使った練習ができない代わりにフィジカル調整など、肉体づくりにも重点を置いた。上半身の筋肉量は間違いなく増え、所属ジムの大橋秀行会長(58)は「背中の筋肉の付き方も全然違う」と強調。同会長は、ライトフライ級時代から適正階級を4階級上のスーパーバンタム級と公言してきており、「この階級が一番強い。やっと証明できる」と太鼓判を押した。
18年5月以来、約5年2カ月ぶりの「挑戦者井上」。チャレンジ魂が、より集中力を研ぎ澄ませる。コスチュームなども挑戦者の青で統一した。
「これまで3回(世界王座に)挑戦し、その時のような気持ち、それ以上なのかな。過去イチ、気合が入っている。1発が当たれば試合が終わるという自信を持って練習してきた。間違いなく終わる」
胸に芽生えた確信を胸に、国内2人目の世界4階級制覇を狙う大一番に臨む。【藤中栄二】
○…井上は王者陣営に痛烈な「カウンターパンチ」を返した。王者陣営のワヒード・ラヒーム・トレーナーが視察する中での公開練習はシャドーボクシング30秒など計4分30秒で終了。前日14日にフルトンが公開したシャドーボクシング40秒よりも10秒短かった。大橋会長は「もう試合は始まっている」と警戒。ラヒーム・トレーナーも「公開が短いのは普通。見せないことは気にしていない。両者とも練習公開が短く、メディアが盛り上がっていい」と“情報戦”を歓迎した。