【ボクシング】井上尚弥より先に快挙 史上初2階級4団体王座統一クロフォード、PFP1位も主張

<プロボクシング:4団体統一ウエルター級王座統一戦=12回戦=>◇29日(日本時間30日)◇米ネバダ州ラスベガス=T-モバイル・アリーナ◇観衆1万9990人

世界3階級制覇王者のWBO同級王者テレンス・クロフォード(35)が無敗ライバル王者対決を制し、史上初となる2階級での4団体統一に成功した。WBAスーパー、WBC、IBF同級王者エロース・スペンス(33=ともに米国)と4本の世界ベルトを懸けて拳を交え、計3度のダウンを奪って9回2分32秒、レフェリーストップによるTKO勝利。圧倒的な差をみせつけ、4団体統一王者となった。これで11連続KO勝利で、通算戦績は40戦全勝(31KO)となった。

圧勝だった。クロフォードは2回、右ストレートでスペンスからダウンを奪うと、右ジャブで距離を制して上下に両拳を打ち分けた。鼻から出血した3団体統一王者の反撃を制し、7回に右アッパーでダウンを奪取し、右フックでダウンを追加。9回には連打で追い詰め、レフェリーストップ勝ちし「今夜、自分がどれほど偉大であるかを証明できた」。WBO王座の7度目防衛、そしてWBAスーパー、WBC、IBF王座を獲得し、満足そうな表情を浮かべた。

WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者井上尚弥(大橋)も狙っていた史上初の2階級での4団体統一を成し遂げた。クロフォードは「神に感謝したい。神がいなければこのようなことは起こらなかった。誰からベルトを奪ったのかがすべてを意味する」と感慨深げ。会見では米老舗専門誌ザ・リング選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強選手)ランキングにも言及。PFP3位のクロフォードが同4位のスペンスを下したことで当然、自らが1位になるべきと主張した。

5年前、試合会場で対面したスペンスと口論となったことを契機に両者の対決が待ち望まれた。お互いが防衛戦後に名前を呼び、対戦を呼びかけたライバルだった。両者が契約プロモート会社を飛び越え、直接連絡を取り合い、無敗の王者対決を実現させた一戦だった。契約には再戦事項がある。「再戦することがあれば、実力伯仲させ、私が勝ちたい」。無敗で2階級4団体統一を成し遂げた最強王者の風格を漂わせた。

◆テレンス・クロフォード 1987年9月28日、米ネブラスカ州オマハ出身。7歳から始め、アマ戦績58勝12敗。08年3月に1回KO勝ちでプロデビュー。14年3月、敵地でWBO世界ライト級王者リッキー・バーンズを判定撃破し、初めて世界王座獲得。15年4月、WBO世界スーパーライト級王座決定戦を制し、世界2階級制覇に成功し、17年8月に同級で4団体統一に成功。18年6月、WBO世界ウエルター級王座を獲得し、世界3階級制覇した。身長173センチの左ボクサーファイター。

◆男子2階級での4団体統一 クロフォードがスーパーライト級、ウエルター級で史上初めて達成。世界主要4団体となって以降、04年にホプキンズ(ミドル級)05年にテイラー(ミドル級)17年にクロフォード(スーパーライト級=すべて米国)19年にウシク(クルーザー級=ウクライナ)21年にテイラー(スーパーライト級=英国)アルバレス(スーパーミドル級=メキシコ)が達成。22年にはチャーロ(スーパーウエルター級)ヘイニー(ライト級=ともに米国)井上(バンタム級=日本)と計9人が成し遂げた。

○…クロフォードとのライバル対決に敗れて王座陥落したスペンスは再戦を強く希望した。試合契約に含まれる再戦事項を行使する姿勢で「もう1度やらなければ。自分はもっと良くなる。次はかなり実力伯仲するはず。年末、12月にやるだろう」とリベンジに燃えた。再戦のウエートはウエルター級かスーパーウエルター級になるが、勝者のクロフォードに選択権がある。

○…元世界5階級制覇王者ドネア(フィリピン)が417日ぶりのWBC世界バンタム級王座返り咲きを逃した。同級1位として同級3位サンティアゴ(メキシコ)との同王座決定戦に臨み、0-3の判定負け。22年6月、井上との3団体王座統一戦に敗れて以来約1年1カ月ぶりの再起戦だった。40歳のドネアは「パンチのパワーを1発1発に込めすぎた。私はこの競技が好きだ。今後は相談して決める。年齢はどうでもいい」と再起をほのめかした。