<ボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇17日◇神戸・ポートピアホテル◇観衆1500人
王者・原優奈(29=真正)が「69秒殺」で初防衛に成功した。挑戦者の同級11位向山太尊(25=ハッピーボックス)を試合開始のゴングから圧倒。右ストレートでダウンを奪い、立ち上がったところに連打でレフェリーストップ。1回1分9秒TKOの圧勝だった。
「鬼門の初防衛戦、プレッシャーだったし、不安だった。でもこれを乗り越えないといけないと思った。けがもあったけど、(序盤KO宣言しており)男は有言実行でしょ」
4月に4回TKOで坂晃典(仲里)からベルト奪取も6月にスパーリング中、右目眼窩(がんか)底骨折の大けがを負い、当初は8月に予定されていた初防衛戦が流れた。約8カ月ぶりの実戦で、相手は変則タイプと聞いた。あらゆる不安を逆に爆発力に変え、鮮やかなKO勝利につなげた。
自称「天才サッカー少年」で名を上げた。小学校時代は、日本代表FW南野拓実とプレーした経験がある。さらにイタリア・セリエAの名門ACミランからも興味を持たれた。ACミランの下部組織入団への日本でのスカウトをかねた合宿中、相手選手の耳をかんでしまい、「素行が悪い」とイタリア行きは消滅した。
高校も「暴力行為」で1年で退学となった。その後はサッカーの経験を生かして「K-1に進みたかった」と格闘技の世界に活路を求めるが、最初に所属したジムがボクシングのみで「仕方なく」プロボクシングの世界に進んだ。
妹の海七(みいな、23)はなでしこリーグ1部のスペランツァ大阪でプレーするDF。兄は「サッカーに未練は全くない。この世界でてっぺんを極めます」と腹をくくり、ボクシング界のてっぺんへを目指す登頂を続ける。
「ボクサーは勝って勉強になる。いい経験できた。これからのステップアップにつながる」。つかんだベルトを守りながら、原いわく「世界の荒波にもまれる」チャンスを待つ。
◆原優奈(はら・ゆうな) 1994年(平6)9月20日、大阪府島本町生まれ。幼少期からサッカーを始め、ACミランからも注目されたMF。妹の海七もサッカー選手。高校を退学後、海外を放浪してK-1選手を目指して20歳でSFマキジムに入門もボクシングしかなく専念。その後、六島、渥美、千里馬とジムを移り、2年前に真正ジムへ。身長176センチの右ボクサーファイター。戦績は14勝(7KO)2敗1分け。