プロボクシングWBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(34=志成)が12回目の大みそか決戦に向け、21日に練習を公開した。31日、東京・大田区総合体育館で同級8位ホスベル・ペレス(28=ベネズエラ)との初防衛戦を控え、報道陣に1ラウンドのシャドーボクシングを披露。3年ぶりのKO勝利への意気込みを示した。
20年大みそかの田中恒成(畑中)戦での8回TKO勝ち以来、5試合判定決着(4勝1分け)が続いている。井岡は「KOで倒したいとか、それがすべてではないと思うし、勝つことが執着してやってきましたが、相手がどうとかではなく、今回はすごくKOしたいなと。見ている方にKOをお見せしたいと思うので、自分のボクシングでKO勝利の形をみせられたらという気持ちは強い。最近、KOしていないということもあるかもしれないが、今回、久しぶりに倒して会場の一体感を作りたいなと思う」と意欲を示した。
WBAの本拠地ベネズエラから送られてきた「刺客」とも言える挑戦者ペレスは通算戦績20勝(18KO)3敗とKO率78%の高さを誇る。思い切りの良い左右からのパンチを繰り出す好戦的なタイプだけにKO決着の可能性も十分にある。希望していたWBC王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)との統一戦ではなくなったものの、井岡の気は引き締まっている。
「これだけ世界戦の経験をさせてもらい、そういう経験も身につけて、そういう次元で戦っていないというか。そういう場面も乗り越えてきたし、感じてきた。世界舞台を経験したからこそ、甘くないことも分かっている。戦うと決めた以上、戦いきる自分の気持ち、身体の部分もつくってきた。モチベーションに振り回されることはない。今回の試合の状況、過去の例を見ると(負けることが)起こり得る試合だというのも分かっているが、自分の中で通りすぎた部分かなと思っている」
今回は世界戦決定がずれ込んだこともあり、米ラスベガス合宿は行わず、国内調整に切り替えた。世界挑戦経験のある元WBOアジア・パシフィック・フライ級王者山内涼太をはじめ、日本同級王者飯村樹輝弥(ともに角海老宝石)、同門の元WBC世界同級王者比嘉大吾らとスパーリング。計110ラウンドを消化したという。21日午前にスパーリングを打ち上げた井岡は「自分の状態、感覚だったり、自分自身のボクシングの奥行き、幅の広さを意識していく上で、それを動きの中で実践できているのではないか」と手応え。指導を受けるキューバ人トレーナー、イスマエル・サラス氏も22日に来日し、最終調整にも厚みを加えていくという。