ボクシング東洋太平洋スーパーバンタム級6位の那須川天心(25=帝拳)が、転向3戦目で世界ランカーを倒し、公式戦50連勝を狙う。23日にエディオンアリーナ大阪でWBA、WBO世界バンタム級14位ルイス・ロブレス(25=メキシコ)との54・8キロ級契約体重8回戦に臨む。22日、大阪市内で前日計量に臨み、54・8キロでクリア。今回のリングが格闘家時代から公式戦50試合目となり、その節目に花を添えるKOを狙う。
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自然体だった。無事に計量クリアした那須川は14秒間、リラックスした表情でロブレスとフェースオフ(にらみ合い)。最後は自らグータッチを求めて健闘を誓い合った。
「グータッチは、いつもはやらない。特に意味はないけれど、自分から仕掛ける、俺のペースですね。1、2戦目は好戦的な感じだったですけど、今回はそうではなくて。相手にも戦えてよかったなと思ってもらえるような試合がしたい。今日もそういう念を送りました」
格闘家時代も含め、55キロ以下のウエート契約試合は初めてとなる。1階級下のバンタム級(53・5キロ)も見据えての設定だったが、200グラム少ない体重でパス。「体重づくりは50回ぐらいやっている。いつもより楽だった。水抜きに頼らず、脂肪を削って用意して。いつもよりカスカスな状況でもなく、良い感じ」と手応えを示した。
プロ公式戦区切りの50戦目となる。キックで42連勝、総合格闘技で4連勝、キック&総合ミックスルールで1勝の計47連勝。ボクシング2勝を含めて49連勝中だ。「この日のために、2試合でできなかったことを詰めてやってきた。本当にKOを狙う。僕たちは全部やってきたし。あとは出すだけ」と区切りマッチをKO勝ちで飾る意気込みだ。
計量後は、母由美子さんが千葉の実家から持参してくれた特製おかゆで肉体を回復。「母ちゃんがつくってくれたことに意味がある。見えない愛情が込められている」と“勝負メシ”を歓迎した。誰よりも那須川本人が初KO勝ちを欲している。「頼むから倒してくれ、という念をめっちゃくちゃ送ってほしい。その念をしっかり受け取る。最後は自分との闘いですけど、乗せてくれるのはお客さん。任せろよという感じ」。節目の公式戦で、世界ランカーを倒し切る。【藤中栄二】
◆那須川のプロ公式戦 22年6月の武尊戦までキックボクシングルールでは42勝(28KO)無敗。RIZINで総合格闘技ルールにも挑戦し、4勝(2KO)無敗。さらにキックボクシングと総合格闘技のミックスルールで才賀紀左衞門と対戦し、1回KO勝ちするなど、合わせて47連勝でボクシングに転向した。公式戦以外のエキシビションでもリングに立っており、18年大みそかのRIZIN14大会で50戦無敗のプロボクシング元世界5階級王者フロイド・メイウェザー(米国)と対戦(1回TKOも参考)。他にも五味隆典、亀田興毅らとエキシビションで拳を交えている。
○…那須川と対戦するロブレスは契約ウエートよりも600グラム少ない54・2キロでクリアした。那須川と約14秒間のフェースオフを終えると表情を緩ませ、指導を受ける84歳の名伯楽イグナシオ・ナチョ・ベリスタイン・トレーナーと笑顔で会場を引き上げた。ロブレスは「大変ハードな練習してきた。調整は成功している。グレートな試合できると思う」と集中していた。
○…那須川の格闘家時代のトレーナーで父の弘幸氏がボクシング初KO勝ちに期待を寄せた。21日の記者会見、この日の計量と遠くから息子の勇姿を見守り「確実に成長しているし、良い試合をみせてくれると思う。プレッシャーのかけ方、余分な動きがすごく削れている。親子なので勝ったら抱きしめてやりたい」と心待ちにしていた。