【大橋秀行】那須川天心は随所に成長、より積極的に 寺地拳四朗は挑戦者の土俵で大苦戦

ルイス・ロブレス対那須川天心 試合後リング上で話す那須川天心(撮影・前田充)

<大橋秀行の目>

那須川天心は過去2戦とはボクシングが変わっていた。フットワークを多用せず、重心を低くしてどっしりと構えて、しっかりと力を込めたパンチを打っていた。これまでより積極的で「倒してやろう」という強い気持ちが伝わってきた。結果は相手の負傷によるTKO勝ちだったが、それまでの内容には随所に成長を感じた。特にボディーブローは的確でスピードがあった。パンチ自体も強くなっていた。この勝利をきっかけにKOも増えていくと思う。

世界ランカーを撃破して、このバンタム級で世界を目指すようだが、同級は井上拓真がWBA王者で、那須川と同じキック出身の8戦全勝8KOの武居由樹も世界を狙っている。2人ともウチ(大橋ジム)の選手。面白くなりそうだ。ぜひ、受けて立ちたい。

寺地拳四朗は大苦戦だった。前半からダウンの応酬の打撃戦となり、面白い試合にはなったが、強打の挑戦者の土俵で戦ってしまった。11、12回のようなアウトボクシングから有効打を打ち込み、連打を畳みかけるのが寺地本来のスタイル。苦戦をきっかけに、もう1度自分のボクシングを見つめ直せば、防衛回数も伸ばせるし、複数階級制覇もいけると思う。ユーリ阿久井は無敗の王者に終始攻めの姿勢を崩さなかったことが、王座奪取につながった。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)