故アントニオ猪木氏の肖像権を管理する猪木元気工場(IGF)は15日、自らのファイトスタイルについて「闘魂スタイル」と形容し、全日本プロレスに参戦中の3冠ヘビー級王者・中嶋勝彦に対して「警告書」を送ったことを明らかにした。また、その警告書についての見解を記した書面を報道陣に送付した。
以下、中嶋に送られた警告書の全文。
「警告書
当職は、株式会社猪木元気工場(以下「猪木社」といいます)及び猪木家(亡猪木寛至氏の実弟猪木啓介氏ら。なお、孫猪木寛太氏は猪木社の取締役です)から、昨年大みそかに開催された全日本プロレスの興行(国立代々木競技場・第2体育館)中に行われた中嶋勝彦氏(以下「中嶋選手」といいます)のパフォーマンスに対する対処について相談を受け、受任しましたので、本書面にて通知いたします。
さて、上記の件は、全日本プロレスの興行の場で、アントニオ猪木のテーマ曲である「炎のファイター」(INOKI BOM-BA-YE)を流し、「闘魂STYLE」と記したトランクスを身につけた中嶋選手が「1・2・3・ダァーッ」のパフォーマンスを行った事件です。
単発の突発的なパフォーマンスということであれば、直ちに権利侵害としてとがめるつもりはありませんが、そもそもジャイアント馬場氏を創業者とする全日本プロレスが、興行という営利活動の場で、出場選手にアントニオ猪木のパフォーマンスを安易かつ無断で行わせたとすればそれは重大な権利侵害行為といえ、また、パフォーマンスを行った中嶋選手も、プロフェッショナルのレスラーとして同様であり、プロレスファンの厳しいクレーム(中に激怒されている方もいらっしゃいます)が現在猪木社や株式会社アシスト社(以下「アシスト社」といいます)に多数届いております。
そして、ご承知のとおり、「1・2・3・ダァーッ」も「闘魂」も株式会社アシストが商標権を有し(前者は登録番号第4562064号(41類)等、後者は登録番号第4575811号(41類)等)、猪木社がその管理委託を受けており(なお、全日本プロレス株式会社は、令和5年11月16日に「闘魂スタイル」の商標出願(25類・41類)をしていますが、「闘魂」等の商標権を有する株式会社アシストは特許庁に対して同出願が拒絶になる旨の情報提供〔商標法施行規則第19条〕を提出済みです)、今後もこのようなパフォーマンスが全日本プロレスの興行において繰り返されるということになれば、商標権侵害や不正競争防止法違反(周知な商品表示等の主体の混同惹起)として、差止めや損害賠償を求めていくことになります。
猪木社としては、アントニオ猪木に関する多数の商標の権利者であるアシスト社や猪木氏の親族とともに、不世出のプロレスラーであるアントニオ猪木の商標・肖像、そしてその名誉や功績を厳重に管理保全していく所存であり、全日本プロレス及び中嶋選手におかれましても、興行の場で安易に無断で「1・2・3・ダァーッ」等のパフォーマンスをされることのないよう警告いたします。以上」
そしてIGFはこの警告書についての意見として「まず、事実確認と致しまして、猪木家遺族、弊社スタッフに対して、全日本プロレス及び中嶋勝彦選手より弊社管理の商標使用、アントニオ猪木を模倣するような言動をするにあたっての確認連絡は一切ございませんでした。
弊社と全日本プロレスの関係の中で実施したものだ、という誤った認識を持たれる方がおりますが事実として連絡は一切ございません。
また、商標の使用、アントニオ猪木の模倣も寝耳に水であるならば、全日本プロレスにおいて『闘魂スタイル』なる言葉の商標登録を申請されているという事実にも猪木家、弊社とも大変困惑しております。
ご存知のように、全日本プロレスの創始者は、猪木と共にプロレスの黄金期の創ったジャイアント馬場さんです。馬場さんは天国からこの事態をどう見ているでしょうか」としている。
中嶋は20日に後楽園ホールでおこなわれる斉藤ジュンとの3冠王座防衛戦に向けた記者会見で、「闘魂スタイル」については「封印された」と話しているため、これ以上、この問題が大きくなる可能性は少なそうだが、成り行きに注目が集まる。