井上尚弥「何もさせず圧倒的な差で勝つ」タイソン以来34年ぶり東京ドーム興行 番狂わせの死角なし

質問に答える井上尚弥(撮影・河田真司)

モンスターに番狂わせなし-。ボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(30=大橋)が5月6日、東京ドームでWBC世界同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)との防衛戦に臨むと6日、正式発表された。

同日、都内で両者そろって会見。90年2月のマイク・タイソン(米国)戦以来の同会場でのボクシング興行で、日本人初のメインを務める。34年前は統一ヘビー級王者タイソンがKO負けする番狂わせが起こったが、井上は「ノーモア・タイソン」の姿勢を貫いた。

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サングラスを着用した井上は、初対面となったネリを横目に口を開いた。「ルイス・ネリという強豪を迎える。すごく気を引き締めていかなければならない戦い。過去一仕上げなければならない。白熱した試合になると予想している」。東京ドームのメイン、4団体統一王者としての防衛戦という2つの「日本人初」に向け、緊張感を漂わせた。

責任感が胸にある。井上は「とてつもない興行だなと。東京ドームで行われるタイソン戦以来の試合となるので、自分自身、すごくモチベーションが高い」と声をはずませた。34年前は統一ヘビー級王者マイク・タイソンがジェームス・ダグラス(ともに米国)に10回KO負けし「世紀の大番狂わせ」と言われた。当時のタイソンと同じく統一王者で、早くも国内外からは井上優位の声が上がる。

当時のタイソンは練習不足で、陣営も含めて緊張感が欠如していたとされる。しかし今の井上に一切の油断がない。井上は「毎度、そんな(有利)予想を立てられながら試合している。会場は関係なく、いつも通りの気持ちで挑みたい」と口元を引き締めた。先月20日からメキシコ人パートナーとのスパーリングを開始。20年9月にネリと対戦したWBC同級13位アーロン・アラメダ(30)らと拳を交え、ネリ対策に入っている。試合は2カ月先ではあるものの、所属ジムの大橋秀行会長(58)は「(井上が)もうピリッとしている」と明かした。

「4団体統一王者としてふさわしい試合をしたい。ネリに対して圧倒的な差で勝つことができたら。まずは勝つことが大前提。内容的に、まずはネリに対して何もさせずに勝つところを目指したい」。

ほどよい緊張感を保ち、緻密な調整を継続しているモンスターに今、死角はない。【藤中栄二】