【大橋秀行】重岡兄弟が明暗 ともにボディーが勝負分ける 銀次朗には22度防衛ロペス超え期待

重岡銀次朗対ジェイク・アンパロ 2回、左ボディでKO勝ちし防衛した重岡銀(撮影・垰建太)

<大橋秀行の目>

<プロボクシング:IBF世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦、WBC世界ミニマム級タイトルマッチ12回戦>◇31日◇名古屋国際会議場

明暗は分かれたが重岡兄弟の試合には『一撃必倒』のボクシングの醍醐味(だいごみ)が詰まっていた。

直前に挑戦者が変更になったIBF世界ミニマム級王者重岡銀次朗(24=ワタナベ)は「勝って当然」のムードの中での試合だったが、そんな事情を抜きにしても、KOした左ボディーブローはすごかった。サウスポーから急所のレバーを打ち抜くのはとても難しく、打てる選手も少ない。それを世界戦で完璧に決めた。破壊力も十分で芸術的なパンチだった。

WBC世界ミニマム級王座から陥落した重岡優大(26=ワタナベ)は初回に左を強振して倒す気満々だったが、逆に右ボディーブローを決められてリズムを崩した。結果的にこれが勝負の分かれ目。効いていたし、その後も挑戦者のボディーへのパンチが気になり、顔面に不用意に右ストレートをもらってしまった。

それでも優大がカウンターを恐れずにパンチを強振し続けたことで、終了ゴングまで“倒すか倒されるか”の緊張感が張り詰めた、最軽量級とは思えない好試合になった。観戦した人も最後まで目が離せず、堪能したと思う。

優大は再戦すれば王座を奪還すると思うし、階級を上げても十分通用するだろう。減量の心配のない銀次朗には、リカルド・ロペスの持つ22度の同階級最多防衛記録の更新を期待したい。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)