<悼む>
新日本プロレスは10日、初代タイガーマスクのライバルとして“虎ハンター”の異名を取り、引退後は新日本プロレス道場の管理人も務めていた小林邦昭さんが68歳で逝去したと発表した。
◇ ◇ ◇
子どものころ震え上がった「虎ハンター」とは正反対の穏やかな笑顔だった。小林邦昭さんは2002年から新日本プロレス道場の管理人だった。練習後の取材待ちをする記者に話しかけてくれる気さくな人だった。
道場ではちゃんこも担当。若い選手たちが正しく体を作れるよう、和洋中華、毎日違うメニューで飽きないように考えた食事を作っていた。選手たちにも好評で、寮生以外のライガー、飯塚高史、中西学らも、練習後に舌鼓を打った。
取材待ちの際、小林さんの体を見せてもらったことがあった。日に焼け、筋肉が張った50歳過ぎとは思えない姿。ただ、腹には60センチ以上の傷が横一文字に生々しく残っていた。
92年に大腸がん、99年には肝臓に転移し、2度の手術を受けた。そこから考え方を変え、好きなものを食べ、体を鍛えた。「前向きになったことがよかったのかも」と病を克服した。
その後、同じようにがん闘病する人たちを励まそうとリング復帰も果たした。後輩選手とファン、大好きなプロレスをいつも考えている人だった。
【05~07年プロレス担当=来田岳彦】