ボクシングの世界4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29=畑中)が4団体ベルト統一、5階級制覇への試金石を突破する。12日に東京・有明アリーナで行われる同級6位プメレレ・カフ(30=南アフリカ)との初防衛戦に向けて4日、名古屋市内の所属ジムで練習を公開した。7月に予定された初防衛戦が相手の体重超過で中止。田中は精神的ダメージもなく、先の野望を力強く語った。
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田中は力強く宣言した。「勝ち続けるだけです」。言葉に、表情に自信が満ちあふれていた。
7月に予定された初防衛戦が、挑戦者ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)の2・9キロもの体重超過で中止となった。ボクサーは長い時間をかけて過酷な減量、調整をへて試合に臨む。ドタキャンは精神的ダメージを負ってもおかしくない。しかし田中は「僕にとって大きな目標ではなかった」と言い、「だれでも目標がなくなってしまうとポッカリ穴が開く。僕にとって大目標は王座統一。その過程でしかなかった」と言い放った。
今後の目標を以前から公言している同級での世界4団体ベルト統一に設定。それを成し遂げた上で「将来的にもう1つ上の階級は考えている」と日本選手初の5階級制覇を見据える。壮大な夢に向かう足を止めている時間はない。
試合の中止も自身を進化させる時間へとプラスに転化した。「ここ数試合、ディフェンスとか順番に意識してきたが、大きな変化、時間がかかることをやってきた。自分のスピードを取り戻しつつある」。スピードを生かした展開力。「相手にパンチを当てる過程を大事に、その中でKOしたい」と力をこめた。
今回の試合は大目標に向けた試金石となる。元WBC世界スーパーバンタム級王者の畑中清詞会長(57)は「かみ合う相手と思っている」とキッパリ。日本選手最速5戦目の世界奪取、世界最速12戦目の3階級制覇とアメージングなキャリアを築いてきた。これからも記録と記憶に残る選手へ田中は歩みを止めない。【実藤健一】
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■父・斉さんがセコンド復帰
○…田中の父斉さん(57)が今回からセコンドに復帰する。田中が自ら依頼した。20年大みそか、井岡一翔に初黒星を喫した後、新たな可能性を求めてコンビを一時解消していた。「自分の気持ちを鼓舞してくれる。足りなかった部分。爆発力をもたらしてくれる」と田中。父も「子どもに言われて断る父親はおらんでしょう」と即断した。
◆スーパーフライ級の現状 フェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)が今年7月、井岡一翔(志成)とのWBA・IBF統一王座戦に臨み、判定勝利でベルトを統一した。両者は今年大みそかに再戦の計画が進んでいる。WBCは20戦無敗(13KO)のジェシー・ロドリゲス(米国)が君臨。暫定王者はWBAがデビッド・ヒメネス(コスタリカ)、WBCがペドロ・ゲバラ(メキシコ)。