【ボクシング】井上尚弥「かなり楽しみな心境」延期、相手変更を乗り越え25年初戦へ計量クリア

前日計量をパスした世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚。左は大橋会長(撮影・鈴木みどり)

プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が25年初戦の前日計量をクリアした。24日、東京・有明アリーナでWBO世界同級11位金芸俊(キム・イェジュン、32=韓国)との防衛戦(WBAスーパー、IBF3度目、WBC、WBO4度目)を控える。23日には横浜市内のホテルで前日計量に出席。両者そろってリミット(55・3キロ)よりも100グラム少ない55・2キロでクリアした。

計量後、約13秒間のフェースオフ(にらみ合い)も展開した井上は「いよいよだなと、2カ月長かったというのが正直な気持ち。だからかなり楽しみな心境」と気持ちを高ぶらせた。当初の挑戦者となるIBF、WBO世界同級1位サム・グッドマン(26=オーストラリア)の左目上裂傷で、試合10日前に昨年12月24日から1カ月延期に。さらに今月11日にグッドマンが再び左目上を裂傷し、挑戦者が金に変更された経緯もあり「すごく楽しみで待ち遠しい」と声をはずませた。

短期間での金対策だった。計10ラウンド程度の軽めのスパーリングで左右スイッチする金の対策を練ったが、1カ月延期で仕上げたコンディションには大きな手応えがある。井上は「今回はちょっと相手が変わったのでイメージが違う。スピードボクシング重視にする必要はないかなと。あとはここからのリカバリーは感覚的に戻していこうかなと。グッドマンの時のリカバリーとは違う」と細心の注意を払って体重を戻し、当日のリングに立つ。

国内開催の世界戦で日韓戦は06年1月のWBC世界フェザー級タイトルマッチ(王者池仁珍-挑戦者越本隆志)以来、19年ぶりだ。過去、井上の師匠となる大橋ジムの大橋秀行会長(59)も韓国の世界王者に挑んで2勝2敗。WBA、WBCミニマム級王座はいずれも韓国人の世界王者から奪った。好戦的な韓国勢の戦いは激闘の展開が多い。今回も金から「KO」「1回からきて」と挑戦者らしい姿勢を示されている。

井上は「やはり臆することなく試合に挑んできているというのはある。代役(挑戦者)として受けてくれたので、気持ちは強いと感じました。あきらめることなく向かってきてくれるのではないかと思う」とうなずいた。昨年11月、推定総額30億円というサウジアラビア政府直轄プロジェクト、リヤド・シーズンのスポンサー契約を結んだ。今回の試合トランクスにリヤド・シーズンのロゴも入る。

また前日計量には4本の世界ベルトとともに、「リヤド・シーズン」を手がけるサウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が買収を発表した米老舗専門誌ザ・リングの認定ベルトも巻いた。井上は「契約したからと言って何か考えが、変わるわけではないが、落とせない契約1戦目の試合になる。気負いなく自分を信じてやるだけ。ラスベガスの試合とサウジアラビアでの試合と両立していければいいなと思っている。もちろん明日の試合が1番大事。その後のボクシングキャリアも楽しみにしていきたいと思う」と25年初戦への決意を示した。【藤中栄二】