プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が25日、横浜市の所属ジムで会見に臨んだ。24日、東京・有明アリーナでWBO世界同級11位金芸俊(32=韓国)の挑戦を受け、4回KO勝利で王座防衛に成功。一夜明け、所属ジムの大橋秀行会長(59)、父真吾トレーナー(53)とともに記者会見に出席した。
1カ月延期、挑戦者変更とトラブル続きの防衛戦を無事に4回KOの快勝劇で締めくくった井上は「普段だったら一夜明けでトレーニングしたいぐらいの気持ちだが、今はやりたくない。それぐらい2カ月間、張り詰めてやってきた。肉体的より精神的に休みたいが、次もうすうす決まっている。3日だけ休んでトレーニングしたい」と5月の米ラスベガス再上陸を見据えた。
防衛成功後、大橋会長、真吾トレーナーと3人で今後について話し合いの機会を持ったという井上は。ラスベガスでWBC世界同級1位アラン・ピカソ(24=メキシコ)、今秋にWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30=ウズベキスタン)との王座統一戦と指名試合を続ける予定だという。
そしてサウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」とのスポンサー契約を契機に同国での試合オファーが届く。同国総合娯楽庁トゥルキ・アラルシク長官からは、21勝(12KO)1分けという無敗のWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(27=英国)との対戦を求められているという。
井上は「それぐらいスーパーバンタム級にもまだまだ落とせる幅もある。今、フェザーで戦ってもいける体が出来上がってきているのかなと。まあタイミング次第ですけど。可能ではある」と率直な心境を口にした。ピカソ、アフマダリエフと倒せばスーパーバンタム級で「敵なし」を言えるだけに、井上は「それもあるし、仮にこの日程でいってもスーパーバンタム級に戻ると。またそういう流れが来た時に楽しみ。3選手は本当に強い選手で、本当に気の抜けない戦いになる」と口元を引き締めた。
ボールに挑戦した際にはスーパーバンタム級王座を保持したまま、フェザー級王座に挑戦するスタイルを取りたい意向。過去には3団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(メキシコ)や史上初めて2階級で4団体統一に成功したテレンス・クロフォード(米国)らがいるが、井上が実現できれば日本人初。大橋会長は「もしフェザー級王座を獲得したら返上し、戦うべき相手がいるのでスーパーバンタム級に戻る。そういう選択肢もあるなという話をしている」と説明。これで年内に日本男子初となる世界5階級制覇を達成する可能性も出てきた。なお「戦うべき相手」とはWBC世界バンタム級王者中谷潤人(27=M・T)とみられる。
また故障なく、理想的にプラン通りに試合に進むことができれば25年は4試合戦うことになる。井上は「僕は4試合でやるつもりでいる」とプロ初の年4戦に取り組む意欲もみせた。大橋会長は「井上はダメージのない戦い方をしているので年4試合はできると思う」と後押ししていた。