ボクシング前IBF世界ミニマム級王者の重岡銀次朗(25=ワタナベ)が即再戦でリベンジを狙う。5月24日、インテックス大阪で同級王者ペドロ・タドゥラン(28=フィリピン)に挑む。昨年7月に9回TKO負けして以来、約10カ月ぶりの再戦に備え、23日には都内の所属ジムで練習を公開。ボクシング人生最大の試練を乗り越える王座返り咲きで復活を証明する覚悟だ。なお同興行のメインでIBF世界フェザー級1位亀田和毅(33=TMK)が同級王者アンジェロ・レオ(30=米国)に挑戦する。
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失うものは何もない。覚悟を決めた重岡銀の眼光は鋭かった。9回TKO負けでプロ初黒星を喫してから10カ月。「こんなに早く再戦できると思っていなかった。どうやったらリベンジできるかを考えてきた。はっきりした形でリベンジしたい」と自然と口調が強まった。日本ミニマム級7位坂田一颯(21=S&K)との2回のスパーリングではスピード感あふれる前後の動きをみせつつ、サウスポースタイルから得意の左、右ジャブ、右ボディーを放ち、好戦的スタイルを貫いた。
昨年7月は「人生初黒星」だった。中学時代まで約40戦無敗で、高校時代は通算56勝1敗。1年時の総体県大会決勝で兄優大(28=ワタナベ)と対戦した際、兄弟対決を回避したセコンドのタオル投入による棄権負けが唯一の黒星だった。100戦以上のキャリアで事実上の無敗で世界王者となったが、プロ13戦目で敗退を味わった。
「初めての負けは傷つきました。プライドを持ってやっていたので落ち込みました。左を狙いすぎていた。甘かった。人生最大の壁。乗り越えないと」
タドゥラン戦では右目眼窩(がんか)底を骨折し、8月に手術。同月中旬にジムワークを再開した。アマ時代の好調時のスタイルを思い出し、半身の構えに戻した。「僕のボクシングを取り戻せた実感があって調子がいい」と手応え十分の笑みを浮かべた。
今年3月、前WBC世界同級王者の兄優大が同級王者メルビン・ジェルサレム(フィリピン)との再戦で敗れた。重岡銀は「次は僕が勝って良い流れをつくる。いつも兄ちゃんの背中を追いかけていたので、たまには先に王者になる。また2人で上がっていきたい」と、リベンジ成功で重岡兄弟復活ののろしを上げるつもりだ。【藤中栄二】