東京女子プロレスは今月20日に大田区総合体育館大会「WRESTLE PRINCESS 6」を迎える。同大会で行われる「プリンセス・オブ・プリンセス王座戦」で王者の瑞希に挑戦するのが前王者でもある渡辺未詩(25)。1月の王座陥落から、どのような変化、成長を経てふたたび頂点を目指すのか。話を聞いた。
-先日まで行われていた東京プリンセスカップで優勝しました。反響はいかがでしたか
「『3年前に届かなかったものに届いてよかったね』とか『いっぱい声だしたよ!』とか、そういう声をいただいてすごくうれしかったです」
-決勝戦でのファンの声は未詩選手に届いていましたか
「私のファンの人たち、アブガプロレスのファンの人たちはライブで声を出し慣れてるので、いろんな声の中で『あの人の声がする!』みたいな感じで試合中も思っていました」
-初めて手にしたプリンセスカップのトロフィーの感想はいかがですか
「すごい重くてびっくりしました。このトロフィー自体まだ2、3人しか持ってないと思うんですけど、それまでの(旧)トロフィーも含めて、この12回もやった歴史のあるトーナメントの重みがあるなというふうに感じますね」
-そしていよいよプリプリ王座奪回を目指して瑞希選手に挑戦します
「1月4日にベルトを落としてから、ひとつ自分の中で視野が広がったっていうのは思ってて。その間(3月)にウィロー・ナイチンゲールとシングルマッチをしたんです。3年前のコロナの時に、ビザの関係で流れた試合だったんですけど。神様のさだめで、なぜ今、このタイミングでやるんだろうと。それを考えたら、やっぱり自分が楽しまなきゃダメだと思って」
-相手はAEWでも活躍している有名選手です
「いくらAEWで、世界で活躍してる方だからとはいえ“チャレンジマッチ”にしちゃダメだっていう思いで臨んだんですよ。東京女子の、一番上のベルトを持っていたというプライドは大事にしつつも、気負わずに。その瞬間、瞬間で楽しい方向を選ぼうっていうふうに試合したんです。結果は負けたんですけど、ネガティブな負けではなくて。試合の後、写真で自分の顔を見てびっくりしました。私ってこんなに笑ってるんだって。こんなに口角が上がるんだって。そのくらい、すっごい楽しそうな顔してて。自分の顔なのに試合後の写真を見てうれしくなりました。こっちも幸せになる笑顔だ、みたいな。自分なのに(笑い)」
-素晴らしいことですね
「プロレスが正直、嫌いというところから始まったので。もともとはアイドル志望というのがあって。こんなにもプロレスを楽しめるなんて。東京女子だけではなく、違う選手ともこれだけ自分が楽しめるっていうところに驚きを感じて。結構、自分の中でも印象深い一戦でした。そういう部分で、視野が広がった自分でまたてっぺんを目指したいと思ったし、前にベルトを獲った時よりも強い私で大田区大会に臨めると思います」
-瑞希選手との再戦ということについてはどう思っていますか
「私がプリンセスカップで優勝してリマッチってなったら、ファンの方に『またかよ』とか『1年で2回も見ることになる』とか、そういう声があがるかなってたんですけど、そういう声はゼロで。楽しみにしてくれてる声の方が多かったので。その期待を超えていけるような試合ができたらなと思っています」
-期待を超えるという意味では、この前の決勝戦では、相手の上半身をガッチリと極めて回すという、いつもとは違う形のジャイアントスイングを披露していました。あれはもともとやっていたんですか
「まず、すごい前に開花式(相手を抱えてからそのまま回すジャイアントスイング)っていうのをやっていたんです。その後、ダブルジャイアントスイングという2人回すのをやって。そこからジャイアントスイングを褒めていただくことが多くなって。プロレスを見てれば見てるほど当たり前のものが、逆にプロレスを長く見ていない私だからこそ、ジャイアントスイングというものをもっと色とりどりのものにしていこうと自分で考えて。7色のジャイアントスイングです、って言ってた時期もあって、その時にやった何色目かのものですね」
-最初にあの技を出したのはいつごろですか
「たぶん初めてやったのは(辰巳)リカさんとインターナショナル(・プリンセス王座)をかけて有明コロシアムでやった時(23年3月の防衛戦)です。リカさんにドラゴンスリーパーをされていたので、同じ技で返そうというつもりで。リカさんを持ったら、たまたまドラゴンスリーパーの形になったので、そのまま回したらあの形のジャイアントスイングになりました。今回(プリンセスカップ決勝)もちょうど『あの位置にいる』ってなったので、瞬時に奥底の引き出しからあの技を持ってくることができました。持てれば回せて、回せたら勝ち筋に持って行ける派なんで(笑い)。常日頃から、どこをどう持って、どう回そうかと考えています」
-対戦する瑞希選手のことはどう見ていますか
「瑞希さんのすごいところは、やっぱりバズるっていう部分がすごいなと思ってて。渦飴の他にもフットスタンプ1つでも、瑞希さんのテクニックにかかればっていう感じで、海外とかいろんなところでバズってるじゃないですか。そういう部分で、渦飴も通常のダメージに加えて、雰囲気とか、気持ちのダメージ…こんなにすごいものをやっているんだとか、試合の流れを勢いよく持っていかれてしまうので。そういう部分で(瑞希の世界観に)持っていかれないようにしたいなと思います」
-それをふまえてどのような試合になりそうですか
「自分の中の最新の引き出しじゃないけど、そういうものって半年ぐらいでは、お互い変わらないだろうと。だからこそ、どれだけ読んで、考えるかっていう部分が大事になってくると思います。できるだけ瑞希さんの思考を読み取って。前回の戦いで当時できることは全部したし、負けたのは悔しいですけど、後悔はないんです。でもどこかいっぱいいっぱいになっていたような気もするので。ベルトを持って年を越すとか、1・4という東京女子にとって大事な大会を迎えるとか、そういう部分だったり、防衛を重ねれば重ねるほどプレッシャーも感じて。今回は逆に挑戦者だからこそ狙える部分だったり、思える気持ちっていうのがあると思うので。気負いしすぎず、リラックスして挑めるように頑張りたいです」