那須川天心の揺るぎない自信 井上拓真と「人生の価値観変わるような試合に」敵陣営視察は初体験

公開練習でスパーリングする那須川(撮影・鈴木みどり)

ボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(27=帝拳)が世界初挑戦に向け、独自スタイル「シン・ボクシング」を用意した。24日、トヨタアリーナ東京で、同級2位の元WBA世界同級王者井上拓真(29=大橋)との同級王座決定戦を控え、12日に東京・新宿区の所属ジムで練習を公開。井上のいとこ浩樹(33)ら敵陣営3人が視察する中、世界ランカーとのスパーリングまで披露し、型にはまらない天心流ファイトをみせつけた。

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約100人の報道陣が詰めかけた公開練習に登場した那須川は、井上戦へ揺るぎない自信を口にした。過去2度の世界王座獲得、そして兄尚弥が4団体統一スーパーバンタム級王者という強敵を「ザ・ボクシング」と表現してきた。それに対抗するように「新しいボクシング、『シン・ボクシング』と言うか、そういうスタイルが出せるというのは自分の中である。みなさんの人生の価値観とか本当に変わるような試合になればいいなと思う」と充実した表情を浮かべた。

10月から練習パートナーとして呼んだWBO世界同級14位セレックス・カストロ(25=メキシコ)との2回のスパーリングを披露した。効果的に右ジャブを使って左ストレート、左ボディーと上下に打ち分けた。これまでの前傾姿勢から少し上体が立ち、両肩の無駄な力も抜けていた。23年1月のボクシング転向表明から約3年。那須川は「しっかりと量をやってから質を求め、こういう形になった。型にはまらない、逆に型にはめてしまう。そういう展開をできるんじゃないかと思う」とうなずいた。

大橋ジムのトレーナーとなる北野良氏と鈴木康弘氏、そして井上のいとこ浩樹が視察した。敵陣営の視察は初体験となった那須川は「別に隠すこともないので普通にそのままやった」と涼しい顔。堂々たる姿勢も天心流だ。2週間を切った井上との注目対決へ「本当に純度の高い格闘技の試合ができる。こういう試合を自分の中でも求めていた」と気合のボルテージを上げていた。【藤中栄二】

○…那須川の公開練習を視察した井上のいとこ浩樹は収穫を口にした。シャドーボクシング、ミット打ち、スパーリングとすべてチェックし「スパーリングで(1発を)狙っているのは分かって、どういう狙いなのかなというのは何となくイメージできました。内容? ここでは言いません」と口にした。また北野トレーナーは「少しスタイルが変わっている。新しいことにチャレンジしているなと。それが試合にどう出るか。新たな発見もあった」と分析していた。